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45歳・高山忠洋は自然体 “自分に期待しすぎない”マインドが好プレーの原泉

豪快な笑顔を見せる高山忠洋。百戦錬磨のベテランはどこまでも自然体だ(撮影:ALBA)

<横浜ミナトChampionship ~Fujiki Centennial~ 2日目◇4日◇横浜カントリークラブ(神奈川県)◇7231ヤード・パー71>

ゴルフは何が奏功するか本当にわからない競技だ。昔からケガの功名とは言うが、二日酔いでプレーしたら優勝しちゃった、とか、体のどこそこを痛めたら余計な力が抜けていいスコアが出たなど、その方が“かえって良かった”という経験をしたゴルファーは多いはず。

初日6アンダーで首位タイに立ち、2日目はスコアをひとつ落としたが、トータル5アンダーで7位タイに踏みとどまっている45歳のベテラン・高山忠洋。すでに報じている通り、右ワキ腹の肋間筋(ろっかんきん)を痛めている状態で、「荷物を持っての上げ下げとかはまったく平気なんですが、上体をねじるスイング動作で痛みがある」という。

そんな状態での出場とあって、「ケガもしているし、コースは難しいし、おまけに火曜日の練習では雷雨で3ホールしかラウンドできてないし…。正直2日間で終わる(予選落ち)と思ってたんですが、あれよあれよという間に(初日に)スコアが伸びちゃって。自分でもびっくりしてます」と豪快に笑った高山だが、「自分に期待しすぎない」ことを意識していると言う。

決して勝負を諦めているわけではない。45歳のベテランは、現状を受け入れ、意気込み過ぎず、自分に過度な期待をかけないマインドで戦っている。いわゆる、『気合が空回りしてミスをする』のとは正反対の状態なのだ。

例えば、4番パー5での場面だ。あまりの暑さに「ちょっと気持ち悪くなった(熱中症の症状)ので、熱中症対策のあめをずっと舐めながら、ペットボトルの8分目くらいまでの量の水分をゴクゴク飲みました。そうしたら一気に飲み過ぎてお腹がタプタプしちゃって、そのまま打ちました(笑)」。しかし、そんな状態にもかかわらずこのホールでイーグルを奪った。

そして、違う意味で圧巻だったのが237ヤード(実測値245ヤード)の最終18番パー3。5番ウッドで打ったショットは大きく右へプッシュアウト。そこにはゲスト用の観戦テラスがあり、屋根に当たってボールは跳ね返ってきた。そのラッキーを生かし、見事にパーセーブを決めてみせた。

プレーを終えた高山は、今日のラウンドを笑いながら話してくれたが、「ダメ元じゃないですけど、明日からも気負い過ぎずやります。『もっといけるかも?』みたいな変な気持ちを持たないように(笑)」と、冗談とも本気ともとれる話しぶりは明るく、人を引き付ける。45歳が挑む週末の熱戦。結末はいかに。(文・土屋裕一)

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