
パワーが炸裂!「ジャンボ兄弟プレーオフ対決」で生まれた歴史的なスーパーショット【名勝負ものがたり】 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net
まさかの兄弟プレーオフのものがたり(撮影:ALBA)
歳月が流れても、語り継がれる戦いがある。役者や舞台、筋書きはもちろんのこと、芝や空の色、風の音に至るまでの鮮やかな記憶。かたずを飲んで見守る人の息づかいや、その後の喝采まで含めた名勝負の舞台裏が、関わった人の証言で、よみがえる。
18番グリーンを取り巻く大観衆から「オーッ!!」という驚きの声が上がった。誰も想像していない方向から飛んできたボールが、見事にグリーンをとらえたからだ。スーパーショットの主はジャンボブラザースの次兄・“ジェット”こと尾崎健夫だった。
1989年のジュンクラシック最終日。首位を走る尾崎3兄弟の末弟“ジョー”直道に、「66」で猛追した次兄の健夫がトータル9アンダーで並びかけた。勝負は日本ゴルフツアー史上初の兄弟によるプレーオフにもつれこんでいた。
ファンにとって、待ちに待った「黄金カード」の実現だった。1988年の日本オープンで長兄“ジャンボ”こと将司がAON三つ巴の決戦を制して完全復活。黄金時代に入ると、ジェットも1985、88年と2度の日本プロ王者に輝き存在感を高めていた。ジョーもその前年まで2年連続してジャンボに次ぐ賞金ランク2位に入り、この年の春にはジャンボとともにマスターズからも招待を受けていた。3兄弟が同じフィールドに身を置く以上、この日が来るのも当然と言えば当然だった。
冒頭のシーンは、その1ホール目、18番で起こっていた。ジェットのティショットはいきなり大きく右に飛び出し池ポチャ。一方のジョーは確実にフェアウェイをキープ。早々に決着かと思われた。誰よりも、当のジェットが「半分負けを認めながら」池の手前でドロップし、第3打のアドレスに入った。
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