THINK SPORTS『ボトムアップ』
監督やコーチがしっかりいるのだが、練習の内容や、試合でのスタメン、交代まで選手たち自身が決めるという部活やチームがある。
監督やコーチたちがすべてを決めて選手に行動させる「トップダウン」に対し、こうしたやり方は「ボトムアップ」と言われて注目を集めている。
メリットは、何と言っても選手たちに「やらされている」感がなくなり、主体性が生まれることだ。
選手たちが自由に行動を決められる一方で、表れた結果に対しての責任はしっかり跳ね返ってくる。内容が甘すぎても、あるいは厳しすぎてもうまくいかないだろう。その点では自己分析の観点も必要になってくるはずだ。
選手たち複数で意思決定をするから、意見の調整も必要になるし、決して簡単なやり方ではない。
ただ、何よりも自分たちで「こうしよう」と決めたことに対する行動は、気持ちの入り方も違ってくるというもの。たくさんの失敗、成功が自分の身のためになっている感覚は十分に得られるだろう。その繰り返しが、関わるスポーツだけでなく、選手の人間性の成長にもつながるはずだ。
一般社会の企業では、例えば現場の意見を吸い上げて新商品を開発する、サービスの向上を図るといった、ボトムアップ型の意思決定で行動するところも多い。
その意味でも、学生たちのスポーツにボトムアップのやり方を取り入れるのは、メリットがあるだろう。
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