THINK SPORTS『日常と環境』
東京オリンピック・パラリンピックが終了した。
日々アスリートの優れたプレーを目にすることができた。メダルのある・なしの結果は出たものの、この時期にかけてきた各選手の素晴らしいパフォーマンスに、驚き、感心した人が多かっただろう。
今は、大会に参加できるためのレベルの基準をつくっている競技も多いだけに、まさに、世界のトップクラスが集まってのプレーだったわけだ。
そんな選手たちには、レベルアップに努めた本番までの様々なストーリーがある。ついつい短期間での猛烈な特訓だったり、何かがきっかけで劇的な変化があったりといった、わかりやすい話を想像しがちだ。
しかし、トップアスリートたちからよく聞かれたのは、その競技のトップレベルの場へ飛び込んでいくことだった。日本ではトップクラスでも世界レベルではまだまだ。そんな時にその競技の本場へ行って練習したり、世界レベルの大会やツアーに参戦してレベルアップを図る。
以前ならトップレベルを想像しながら努力をしていたところ、今のアスリートは自分の日常と環境を変え、トップレベルを体感しながら努力するのである。
その毎日のコツコツした努力がどれだけ大変なものか。そしてその積み重ねが、4年に一度の晴れ舞台で披露されたのである。
トップアスリートの激しい日常を、スポーツを観る者はなかなか知ることはできない。ただ、その日々の努力を想像できたら、スポーツへの理解がまた深まるだろう。
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