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現役選手と指導者も注目。“データ”でアスリートを変える4つの施策[PR]

(左から)土江寛裕氏、川村慎氏

アスリートやスポーツマーケティング分野が抱える課題を、指導者・競技団体・研究者・スタートアップ企業などとの交流を通じて、テクノロジーを活用したソリューションの実現やスポーツ分野でのイノベーション創出を目指すプロジェクト、「Athlete Port-D」。

これまではアスリート同士が企業に求めるテクノロジーを議論してきたが、企業はアスリートに対してどのようなプロダクトを開発しているのだろうか。

今回は、スポーツ産業でテクノロジーを活用している企業と、今後の参入を視野に入れている企業が登壇し、ピッチを行なった。そして各企業のテクノロジーに対して、過去の回に登壇したNECグリーンロケッツ(ラグビー)の川村慎氏と、東京大学陸上競技部コーチの土江寛裕氏が、競技における活用法を議論した。

→Athlete Port-DのHPはこちら

ウォーミングアップの質がデータで分かる

岩崎健一郎氏

H2L株式会社代表取締役 岩崎健一郎氏

トップバッターを務めたのは、人間の能力を引き出すための支援ツールや、電気刺激装置などの研究開発を行なっているH2L株式会社の岩崎健一郎代表取締役だ。同社が開発した「Optical Active Sensing」は、特殊な光を身体に当てることによって、運動時の筋肉の変位量を計測できる。

実際に陸上競技の選手に着用してテストを行なった際には、走行時の加速度と筋変位のデータを取得した。その結果、ストライドの瞬間と筋活動が一致したことが分かった。また、ウォーミングアップの際にどれだけ筋肉がパンプアップしているかも確認することができる。

今後はこの技術を生かして、アスリートのコンディション管理ツールを開発し、パフォーマンス向上や怪我の予防に繋げようとしている。

土江氏は「怪我の予兆や、ウォーミングアップがきちんと行われているかを確認できるのは嬉しい。調子が良い時と良くない時の筋肉の状態も可視化できると面白い」と、コンデイション管理ツールの実現に期待を寄せた。

また、川村氏も「ラグビーは冬のスポーツなので、寒い中でしっかりとウォーミングアップができているかは、指導者も気にしている」と現場での実情を明かし、「ウォーミングアップが完了できた選手からデバイスを外して、トレーニングに臨むというのもありではないか」と、デバイスの使い道を提案した。

特に陸上競技の走種目やラグビーは、肉離れが多い競技でもある。その肉離れを防止するためにも、筋肉の状態をデータで可視化することは重要ではないだろうか。

わずか2枚の写真で採寸データを取得できるアプリ

ジン・コー氏

Original社代表取締役 ジン・コー氏

続いて登壇したのは、オンラインカスタムシャツブランド「Original Stitch」を展開するOriginal社のジン・コー代表取締役だ。

同社が開発した身体採寸アプリ「Bodygram」は、前面と側面から全身写真を撮るだけで、被写体の実寸を瞬時に計測できる。過去にアメリカの大学で、数名の学生を対象に実証実験を行なったところ、98パーセントから99パーセントの精度があることが分かった。また、服を着用した状態で測った場合でも、裸の状態での採寸データを得ることができる。

Bodygramの採寸データの正確さを実証実験するジンCEO

Bodygramで測ったデータと、実際にメジャーで測ったデータに相違がないことを実証実験するジンCEO(右)

以前のAthlete port-Dで川村氏は、採寸技術の導入をスポーツ界の課題として挙げていた。特にラグビーのような身体の大きな選手が多い競技では、選手にジャストフィットするユニフォームを手配するのは容易ではない。とはいえ「最大限にフィット感のあるユニフォームを着用して試合に臨み、ベストパフォーマンスに繋げたい」と、川村氏は本音を口にしていた。

川村氏は実際にBodygramで身体の採寸を行ない、胸部のサイズに若干のズレはあったものの「アスリート用にカスタマイズすれば、もっと性能は高くなるのではないか」と、今後の可能性と期待感を口にする。また、ユニフォームのサイズを測るためだけでなく、体格の推移をデータ化するという使い方をすれば、スポーツにも汎用性の高いツールとなり得そうだ。

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