2020年未勝利の鈴木愛は「不思議なハードル」の途中【岡本綾子に聞く女子ツアー】(No.164936) | ツアーニュース | ツアー情報 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net|GOLF情報
岡本綾子が見る鈴木愛の現在地とは?(撮影:岩本芳弘)
6月のアース・モンダミンカップが初戦となった2020年の日本ツアーですが、そこから5〜6人の選手がトーナメントを引っ張った印象があります。色々なタイプのゴルファーがいて、よかったですね。
14試合の中で3勝した古江彩佳選手、2勝した笹生優花選手、1勝の西村優菜選手のルーキー3人はなかなかすごかった。結果を出している選手が多い“黄金世代”と呼ばれる1998年度生まれの選手たちとは全く違う感じで、いいですね。実力者たちでこれからが楽しみです。
一方で、30代の選手たちにももっと頑張って欲しいですね。上田桃子選手のことを私は買っているのですが、意外に(最終日に活躍する)“サンデー桃子”ではないのが残念。“サンデー桃子”になれれば、もっと結果を出せる可能性は十分にあると思います。何年か前(2014年)に「来年10勝します」と言っていましたね。この時、28歳だった彼女も、もう34歳です。34にもなると経験を積んで、さすがに大口を叩けなくなるもんですね(笑)。
上田選手に限らず、2020年に産休から復帰した若林舞衣子選手など頑張っている選手もいますが、30代の選手はもっと頑張ってもいいと思います。もちろん、20代に比べたら体力的な衰えというのはあると思います。思うように練習ができなくなるのもよくわかります。けれども、ゴルフに限らずどのスポーツでも、重ねてきた経験は生きてきます。経験によってプレーの内容が濃くなり、質が上がっていくのです。毎試合、違うコースで、毎日、違うコンディションの中でプレーするゴルフでは特にそう。そのあたりをもっとうまく使って、30代の選手にももっと優勝してもらいたいと思います。
2019年の賞金女王、鈴木愛選手は、最初のアース・モンダミンカップの2位がベストフィニッシュで、優勝できずに2020年を終えました。私が見るところでは、目の前の成績というよりも、もうちょっと長いスパンで考えているのではないでしょうか。精一杯やっていないわけではないし、優勝も狙っている。マイペースです。けれども、若い選手たちには、とんでもないことをやる勢いがあるものです。想像もつかないような勢い。鈴木選手とは大きな感覚の違いがあります。今、鈴木選手は不思議なハードルを越えるのに苦労しているのではないでしょうか。右足は上手くハードルを越えられたけど、どうしても左足が上がらなくて「どうして?」と思っているようなジレンマ。目先の結果を求めるのではなく、長いスパンで考えるのなら、ここで焦らず、マイペースを続けるのがいいと思います。
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