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【伊達公子】オフシーズンは極度の筋肉痛とのお付き合い。強化をやり遂げるには時間が足りない<SMASH>

フィジカルを強化するためには、2、3カ月時間が必要だという伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)
 テニス選手はオフシーズンの間に、リフレッシュをして、次のシーズンに向けての準備を行ないます。身体作りのトレーニングにじっくりと時間をかけたいので、オフシーズンが短いと困るわけです。

 ツアー中は、大きな負荷がかかるトレーニングはなかなか行なえません。ケガをするリスクが大きいですし、疲労を取るにも時間がかかるため、表面的に刺激を入れるコンディショニングが中心になります。

 強い身体を作るには、2、3か月は必要です。そこから完全に仕上げるにはもう少し時間がほしいぐらいです。身体は1度筋肉を破壊して、それが修復されて強くなっていきます。

 筋肉を破壊するレベルを完全に上げるには、オンコートで練習できないほど身体を追い込まなくてはいけません。そこからケアをして回復していくため時間がかかります。1か月では望むレベルまでの強化は叶わず、希望するフィジカルの仕上がりと時間の問題はいつも付いてまわっていました。今のスケジュールでは仕方のないことですが。

 トレーニングはやる内容にもよりますが2時間ぐらい行ないます。強度が高いので終わった時は疲れ切っています。筋肉痛とのお付き合いが開始です(笑)。
  1日の大まかなスケジュールは、午前中に2時間トレーニング、昼食を取りシャワーを浴びて、30~40分お昼寝。このお昼寝がないと身体がもちません。その後に身体のケアに行きます。

 オンコートの練習が入ってくるともっと大変です。9時から12時にオンコート、昼食、シャワー、お昼寝、2時~4時でトレーニング。シャワーを浴びて身体のケアで、1日が終わります。

 本当にトレーニングは苦しいのですが、どうしてこれをやり遂げられるかと言えば、コートに入った時に楽になるためです。例えば走らされたボールに追いついて、返すためです。その1本が、勝敗を左右することがあるかもしれません。そんな1球のための努力ができるか、どうかです。

 これだけ身体を作ってシーズンに入っても、ツアー中は激しいトレーニングはできないので、徐々にフィジカルの状態は下がっていきます。そういう時に故障の危険が出てきます。

 可能ならシーズン中にもう1度身体を作れる期間があるといいのですが、それはスケジュール的に難しい。だからこそ、オフシーズンでどれだけ身体作りができているかが、ツアー中のフィジカルに影響してくるわけです。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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