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マチュアの使用者も見かけるようになった中尺・長尺パター アンカリング規制はキーガン・ブラッドリーの優勝がきっかけなの?

キーガン・ブラッドリーが「全米プロゴルフ選手権」で勝ったことがアンカリング規制のきっかけに?(撮影:GettyImages)

ブライソン・デシャンボーやアクシャイ・バティア、ウィル・ザラトリス(ともに米国)など、中尺・長尺パターを使用する選手も一定数いる。アマチュアにも、使用者を見かけるようになった。そんな中尺・長尺パターのアンカリングが禁止された理由は、キーガン・ブラッドリーにあった?

ゴルフ・ファミリー・オブ・ザ・イヤー、そんな賞がブラッドリー一家に送られたのは1989年、まだキーガン・ブラッドリー(米国)が3歳の頃のこと。父、マークはPGAクラブプロ(コースに所属してレッスンなどを生業とするヘッドプロ)、そして叔母はメジャー6勝を含む米国女子ツアー通算31勝を挙げ、91年には世界ゴルフ殿堂入りを果たしたレジェンド、パット・ブラッドリー(71歳)。「パットおばさんは、長年にわたって僕の指導者で、大きな影響を与えてくれた。集中力と強い気持ちの大切さを教えてくれた。試合だけでなく、練習でもだ」とキーガンは明かす。

米国北東部、バーモンド州出身のキーガン。祖父がスキーショップを経営していたこともあり、幼少のころから強いスキーレーサーとして有名だった。ゴルフは父・マークの手ほどきで3歳からスタート。12歳のとき、叔母と父が男女混合のダブルストーナメントに出場し、父のキャディを務めたことがきっかけでゴルフに生涯を懸けようと決意した。開催コースは現在も米国男子ツアーの「バルスパー選手権」が行われており、プロとして同コースに戻ったキーガンは感無量。当時のバッグを担いだ写真をSNSに投稿している。

下部ツアーを経て2011年から米国男子ツアーへ。初のメジャー出場となった「全米プロ選手権」で勝利。同年には“ルーキー・オブ・ザ・イヤー”に輝いた。しかし、このメジャー勝利がゴルフ界に大きな影響を与えることになる。

25歳だったキーガンが使用していたのは中尺パター、さらにグリップエンドを体で固定するいわゆる“アンカリング”だった。当時は「中、長尺パターでメジャーは勝てない」といわれ規制されていなかったが、R&AとUSGAは「16年1月からアンカリング禁止」を決定。

幼少の頃から”アンカリング“で育ったキーガンは「僕はファンからチーター(ずるをした選手)と呼ばれ、ゴルフ記者からも そんな記事を書かれた」と嘆いたが、禁止となる前に今度は母・ケイの進言で短いパターに持ち替えることを決意。後にアームロックのパッティングスタイルとなり18年の「BMW選手権」で復活勝利。22 年にはZOZOチャンピオンシップを制した。

38歳にして世界ランキング19位(7月8日現在)、「ここまで来られたのは叔母を含むファミリーの支えのお陰、まだまだ輝きたい」とゴルフ人生を謳歌中だ。(文・武川玲子=米国在住)

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