今季初“20代不在”の最終日最終組 1差4位の35歳・永野竜太郎「このコースは経験値が生きてくる」
<Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント 3日目◇26日◇芥屋ゴルフ倶楽部(福岡県)◇7216ヤード・パー72>
国内男子ツアーで今年初の珍事(?)が起きている。14戦目にして最終日最終組に20代の選手が一人もいないのだ。
若手隆盛の男子ツアーのおいて、非常に珍しい事態だ。賞金ランキングを見ても、1位は23歳の中島啓太で、後続は25歳の金谷拓実、ともに22歳の蝉川泰果、平田憲聖とフレッシュな顔ぶれがずらり。世代交代を感じさせるシーズンとなっている。ところが今週の福岡決戦の最終日は、いずれもトータル14アンダーで並んだ47歳の小林正則、43歳の宮里優作、32歳のソン・ヨンハン(韓国)の最終組となった。
最終日の1つ前には金谷と23歳の鈴木晃祐、そして35歳の永野竜太郎がいる。1差4位の永野に話を聞くと、「ちょっと時が戻ってきた(笑)。やっぱりコーライグリーンというのもあるだろうし、経験値が多少生きてくる部分があるのかな。いつも同じようなピン位置だし、何回かは同じようなところから打っているだろうし、その辺が強いんじゃないですか」と分析する。
小林と宮里は今年でともに15回目、永野は13回目の大会出場で、コーライグリーンの目と傾斜が入り交じった複雑なラインは何度も経験している。反対に、昨年10月にプロ転向したワンダーボーイ、蝉川泰果は、初めて出場した今大会でプロ初の予選落ち。「パッティングがすごく悪くてもったいなかった」とコメントを残して会場をあとにした。
その永野は3日目、出だしの1番パー4でいきなりピンチを迎えた。ティショットを大きく右に曲げて、隣の6番ホールのグリーンにワンオン。「救済を受けてグリーンカラーにドロップだからフェアウェイ。(1番グリーンまで)めっちゃクリア(笑)。セカンドは残り140ヤードで普通にパーです。1ホールでパーオン2回」と笑う。
それだけではない。13番パー5でも右に曲がって木に当たり、14番のほうに落ちてしまった。「隣のホールで先に打たせて、14番のフェアウェイに出して、3打目で13番に戻ってきた」。結局「乗らず、寄らず、入らず」でボギーとした。ただ、そんなピンチも難なく乗り越えて、2番、14番とバーディをすぐに獲り返すところは、経験のなせる技なのかもしれない。
果たして最終日は迫りくる20代が逆転で優勝するか。それとも百戦錬磨のベテランが逃げ切るか。面白い展開になってきた。(文・下村耕平)
Follow @ssn_supersports