国旗を削除したロシアのテニス王者に「ただでは済まない」と国内で非難殺到! それでも本人は「平和を願いたい」
ウクライナへの侵攻が始まって以来、ロシア、そして彼らを支援するベラルーシをスポーツ界から“追放”する動きは、強まっている。
パラリンピックの開幕が間近に迫っていた先月28日にIOC(国際オリンピック委員会)は、両国の選手と関係者を国際大会から除外するように各競技連盟に勧告。これに続くようにFIFA(国際サッカー連盟)とUEFA(欧州サッカー連盟)は、ロシア代表と同国クラブチームに対して、両機構の主催大会への出場を禁じた。
無論、スポーツ界での相次ぐ“排除”の動きに、「アスリートたちは関係がない」とロシア国内では反発の声が相次いだ。一方で、強く反戦の意を示した選手もいる。その筆頭とも言えるのが、プロテニスプレーヤーのダニール・メドベージェフだ。
男子世界ランク1位の猛者は、自身の信条を示すべく早々に行動を起こした。今月1日にATP(男子プロテニス協会)、WTA(女子テニス協会)が共同で、ロシア、ベラルーシ選手の国名や国旗の使用禁止を発表すると、自身のインスタグラムのプロフィール欄から母国国旗を削除したのだ。
国内屈指のトップアスリートである26歳の行動には、ロシア国内で批判的な声が噴出した。スポーツ専門メディア『Championat』は、「まさに金の亡者だ。ロシアのテニス選手たちは彼らの国籍を隠し始めた。メドベージェフらは、SNSから国旗を削除した。それはただでは済まないだろう。試合に出たいからと、メジャー団体の要求に、ここまで屈する必要はないのだ」と糾弾した。
もっとも、当の本人はそうした国内の批判を意に介していない。1日の投稿だが、彼は自身のインスタグラムで、次のように発信している。
「これからも僕には、たくさんの素晴らしい経験が待っている。初めて出会う友、初めて感じる感情や見るもの、ありとあらゆる初めてが待っている。だからこそ僕は、世界平和、国と国との平和を願いたい。
それに子どもたちは、生まれながらにして世界を信じていて、愛や安全、正義、人生のチャンスなど、あらゆるものを信じているんだ。一緒になって、それが嘘ではないことを示してあげたい。すべての子どもが夢を見ることをやめてはいけない」
母国の侵攻に異を唱えたメドベージェフ。彼のような影響力を持つアスリートの声が、ウクライナを理不尽に攻め続ける人の心にも届いてもらいたい。
構成●THE DIGEST編集部
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