ジョコビッチが一連の“疑惑”に釈明。虚偽記載は「人為的なミス」、イベント参加は「後で陽性通知を受けた」<SMASH>
現地時間1月10日にオーストラリア入国可否を決める審理で勝訴し、拘留されていたメルボルンのホテルから解放された男子テニス世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)。その後、新たな疑惑が浮上し、本人が否定するなど、騒動はまだまだ続いている。
豪大手ニュースメディア『The Age』によると、入国時に提出した渡航申請書の「オーストラリア到着前の14日間で他国に旅行したか?」との質問に「いいえ」と回答したジョコビッチだが、実際はトレーニングのため12月31日にスペインへ移動していた。『ロイター通信』はスペインのテニスアカデミーで彼が練習をする映像を入手しており、「虚偽の申告ではないか」との声が上がっていた。
また、ジョコビッチの弁護団は彼が「12月16日に新型コロナウイルスに感染した」ことを理由に、独立した医療委員会からワクチン接種免除が認められたと主張。だが、海外テニス専門メディア『UBITENNIS』は「感染した翌12月17日にイベントに出席し、18日には仏メディア『レキップ』紙の写真撮影に参加した」と伝えている。
情報が錯綜するなか、1月12日にジョコビッチ本人が自身のSNSで一連の騒動に関する声明を発表。「12月の私の活動やイベントへの参加などについて誤解が続いているようなので、明らかにしたい」と前置きし、次のように説明した。
「12月14日にセルビアの首都ベオグラードでバスケットボールの試合を観戦しましたが、後にその試合の関係者の間で感染者が発生したことを知らされました。12月16日に抗原検査を受けて陰性の結果が出た上に症状もなかったのですが、念のため同日に正式なPCR検査も受けました」
「17日にベオグラードで子どもたちに賞を贈るテニスのイベントに参加しましたが、その前にも抗原検査を行ない、陰性でした。症状もなく、体調も良かった中、そのイベントの後になって初めてPCR検査で陽性が判明したという通知を受けました」
一方でジョコビッチは「(18日に)記者たちをがっかりさせたくないという理由でレキップ紙のインタビューを受けましたが、それ以外のイベントは全てキャンセルし、写真撮影の時以外はマスクを着用し、ソーシャルディスタンスも取っていました。ですが、よく考えてみるとこれは判断ミスであり、この約束を変更すべきだったと受け止めています」と謝罪している。
さらに渡航証明書の虚偽申告の疑いについては「到着時に国境警備隊の職員に伝えた通り、代理人が書類を提出しました。代理人は私がオーストラリア到着前に他国に渡航したかどうかについて間違ったボックスにチェックを入れてしまいました。これは人為的なミスで、故意ではありません。このようなミスを犯したことを心からお詫びします」と釈明した。
すでに全豪オープンの会場で練習を行なっているジョコビッチだが、豪州政府の弁護士は大臣権限で改めてビザを取り消す意向を示唆しているという。仮に2度目の審理が開かれるとなれば、再び非常に厳しい状況に立たされることも予想されるが、果たして最終的にテニスの大スターはどうなるのか、世界が注視している。
文●中村光佑
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