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【卓球】平野美宇ら擁する“スター軍団”KA神奈川を止めるのは?新シーズン優勝争いの行方とTリーグを彩る注目選手を紹介

卓球の「ノジマTリーグ」は2023 -2024シーズンが開幕を迎え、各地で熱戦が繰り広げられている。Tリーグは来年のパリ五輪に向けた代表選考ポイントの対象となっていることもあり、チームの優勝争いをかけた戦いとともに、代表選手のパフォーマンスも例年にも増して注目を集める。今回は女子6チームの戦いに注目し、優勝争いや注目ポイント、選手を挙げながら6年目を迎えているシーズンの行方を占っていきたい。(文・井本佳孝)

優勝候補大本命のスター軍団

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平野美宇(撮影:ラリーズ編集部)

今季のTリーグ女子で優勝候補の大本命と呼べるのが木下アビエル神奈川。昨年のシーズンでは2位に勝ち点差「10」をつけて1位に経つと、プレーオフの末に悲願の初優勝を飾った。長年チームを支えてきた石川佳純が引退しチームを去ったものの、新たに主将に就任した平野美宇が「顔」としてチームを支える。さらに、今年の世界卓球でダブルス銅メダルに輝いた長崎美柚と木原美悠の“Wみゆう”、この1年で急成長を見せる15歳の張本美和もおり、オールスター軍団と呼べるチームに死角は見当たらない。 新たに迎えたシーズンでは7月30日の開幕戦で、昨季2位のトップおとめピンポンズ名古屋を相手に4ー0で圧倒して白星スタート。ホーム開幕シリーズとなった2連戦では、8月11日の日本生命レッドエルフ相手には早田ひな、伊藤美誠と主力を欠く相手に苦戦を強いられながらも3ー1で勝利。続く12日のトップ名古屋との再戦では長崎、木原のダブルスペア、平野、張本のシングルスとこのチームの強みが存分に発揮され、3ー1で開幕3連勝。ここまでの戦いは順調といっていい。

気になるのが来年のパリ五輪を目指すメンバーを揃えており、海外遠征と国内での選考会を掛け持ちして戦う選手のコンディション面。日本生命戦では直前の海外遠征時に途中棄権した平野の状態が心配され、今季のKA神奈川でより重要な役割を担っている張本にも疲れの跡が見え隠れした。各チームも優勝候補筆頭として警戒してくるなかで、中澤鋭監督がどのようにこの“オールスター軍団”の心身をマネジメントし、シーズン通して戦い抜けるか。2連覇に向けてはカギを握ってくる。

日本生命は“みまひな”のコンディション次第

写真:早田ひな、伊藤美誠(提供:ITTF)

早田ひな、伊藤美誠(提供:ITTF)

KA神奈川を追う対抗馬として挙げたいのが日本生命。リーグ初年度の2018-2019シーズンから4連覇を果たしていたチームだったが、昨シーズンはレギュラーシーズンでは3位と苦戦を強いられ、プレーオフではファイナルで敗退。2年ぶりの優勝に向けてパリ五輪出場も期待される早田、伊藤の“みまひな”コンビが絶対的な柱なのは間違いない。木下アビエル神奈川の主力と同じく、タイトなスケジュールをこなすこの2人のコンディションに左右される面は大きい。そのなかで、森さくら、笹尾明日香など周りを固めるメンバーのさらなる奮起も必要になってくる。 また、実力者を揃える日本ペイントマレッツも躍進を期待したいチームのひとつ。主将を担う佐藤瞳はパリ五輪選考ポイントで現在(8月9日時点)6位につけており、2017年の世界卓球で銅メダルを獲得した橋本帆乃香との“カットマンペア”は注目。ほかにも芝田沙季、大藤沙月、横井咲桜と豊富な選手層を誇るチームは、開幕2連勝スタートと好発進を見せている。豊富な経験を誇る佐藤を中心としたチームがKA神奈川、日本生命という2強に迫る存在感を示せれば優勝争いの行方は新たな展開を迎える可能性がある。

さらに、昨年シーズン2位のトップ名古屋は昨季シングルスで14勝を挙げ、KA神奈川の平野(12勝)、日本生命の伊藤(13勝)を上回った安藤みなみ、またダブルスでは2位につけたKA神奈川の木原、張本(ともに8勝)を上回る12勝を挙げた南波侑里香がいる。Tリーグが昨季からパリ五輪選考の対象大会となったことで、盛り上がりを見せる反面、有力選手を抱えるチームは消耗戦を強いられている側面もある現状のスケジュールのなかで、よりフレッシュなメンバーで、総力戦に勝ち切るチームが上位につけることが予想される。来年の3月まで続いていくリーグでどこが抜け出すかは見ものである。

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