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打たれる場所に先回りするための方法|頭で勝つ!卓球戦術

卓球ライター若槻軸足がお届けする「頭で勝つ!卓球戦術」。今回は「打たれる場所に先回りするには」というテーマでお伝えしていく。

卓球はよく「反射神経が必要なスポーツだ」と言われるが、これは半分正解で半分間違いである。なぜなら、人間の反射神経だけで打球に対応するのは限界があるからだ。なにせ卓球台はとても小さく、相手がボールを打ってから自陣に到達するまで、時間にして0.5秒もないのだ。

さらに身長が高くリーチがある選手なら対応できるかと思いきや、そうでもない。私自身、身長が180cmあり腕も長いほうだが、卓球台全てにラケットが届くわけではない。

そこで必要なのが、「予測」という能力だ。さらに言えば、予測をするだけでは意味がなく、予測した位置に身体を運ぶ動作が必要になる。予測と動きはセットだ。

先日も世界選手権が行われていたが、トップ選手達のプレーを見ていると「打たれる場所に先回りして動く」ということを彼らはみな当たり前にやっている。ダイナミックなスーパープレーに目が行きがちだが、どんな場面でも自分が打球すると同時に、細かく足を動かして位置取りを調整している。だからこそあれだけラリーが続くのだろう。

そういったトップ選手たちの細かい動きも参考にしながら、我々でもできる部分は学んで取り組んでいこう。

クロスのコースへ先回り

では早速、具体的なやり方について一緒に考えていく。

基本的には相手からの返球はクロスで待つ、というのがセオリーである。理由としてはストレートよりもクロスの方が距離が長く、ミスをする確率が低い点が挙げられる。

また、クロスは卓球台に対して斜め方向(自分の体から逃げていく)のボールなので、自分の身体が台から離れていればいるほど、クロスに来たボールを拾うためには大きく動く必要が出てくるというわけだ。

具体的な展開で考えると、相手のバック側へ送ったボールがクロスであるこちらのバック側に返ってくると予測し、身体を少しバック側へ寄せて待つ、という具合だ。もしくはバック側から相手のストレート(相手のフォア側)へ返球をしたのなら、こちらのフォアに返ってくる可能性が高いので、フォア側へ少し身体を動かす必要があるのだ。

ストレートへのケア

もちろん、クロスだけでなくストレートのコースを狙われる可能性もあるので、そちらへのケアも頭に入れておかなければならない。もしストレートに来たときに、なんとか対応できる位置で待つ必要があるわけだ。

前述のとおり、クロス方向への打球は身体から逃げていく性質のため、それを踏まえてクロスへの返球を想定した位置に動く必要がある。ただ、ストレートに来てもギリギリ対応できるくらいの位置にいることも考えなければならない。この位置というのは日頃の練習で把握しておく必要があるし、自分自身が対応できる範囲をなるべく広げる練習も必要だろう。

そして、このときに動くと同時に相手のラケット角度や肩の開き具合等を注視して、相手の打球がストレートへ来る(来そうな)ことをなるべく早めに察知することも重要だ。

しかし、ストレートへのケアをしなくても良い場面というのもある。それは、相手の打点が卓球台よりも下がったときだ。

相手が回りみドライブを打つ際に、ボールが台より下に落ちた場合、そのドライブは90%以上の確率でクロスに来る。その状態からストレートコースヘ入ることはほとんどない。なので、安心してクロスで待てば良いのだ。こういったことは卓球のいわばセオリーであり、経験を積めば自ずと理解出来るようになる。

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