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【卓球審判革命なるか】エッジ/サイドをAI判定『ダイワの1mm』開発進んでます

今年の5月発表時、わりと大きな反応をいただいた、AIで卓球のエッジを判定するシステム『ダイワの1mm』ですが、その後も開発を進めています。

今回は、1回目の検証実験をダイワ通信本社で行い、かなり成果を感じられたので、その様子とここまでの進捗をお伝えします。

ダイワの1mm
写真:「ダイワの1mm」検証実験の様子/提供:金沢ポート

「ダイワの1mm」プロジェクトスタートのきっかけ

石川県金沢市に本社を持つ上場企業・ダイワ通信株式会社は、Rallysが経営参画するTリーグチーム・金沢ポートのトップパートナーです。
チーム立ち上げまもなくから、岩本社長他みなさんに何度もお会いしてパートナーセールスを行うなかで、ダイワ通信が主軸とするAI・防犯カメラ技術の知見を生かした事業を一緒に生かした施策ができないかという話が出ました。

ダイワ通信
写真:岩本秀成社長(ダイワ通信・写真右)と槌谷(写真左)/提供:金沢ポート

国際大会でさえ、主審と副審の視覚だけで判断している(リプレイ動画もボールの軌道を目で見る)の卓球審判に、リアルタイムでAI判定の情報を提供できないだろうか。あくまで、審判のひとつの判断材料として。

国際大会の、しかも勝負どころで“疑惑の判定”を生んできた、エッジ/サイド判定のことが浮かびました。

2009年世界卓球選手権横浜大会男子ダブルス準々決勝   水谷隼/岸川聖也 vs ガオ・ニン/ヤン・ズィ(シンガポール)
写真:エッジかサイドかの判定で紛糾した2009年世界卓球選手権横浜大会男子ダブルス準々決勝 水谷隼岸川聖也 vs ガオ・ニン/ヤン・ズィ(シンガポール)/提供:アフロスポーツ

AI時代に提供できる材料として

少なくとも、ボールがエッジに触れたか触れてないか、それがエッジかサイドかの情報提供は、現在のテクノロジーが解決できるはずです。

トップ選手では、最速で120km、多くて毎秒170回転とも言われる卓球のボールのわずかな接触を、人間の視覚だけで判断することの難しさ。
かつ、計測範囲は他競技と比べてずいぶん狭い、たった縦274cm × 幅152.5cmの卓球台のどこに当たったか当たってないか、だけなのです。

ダイワの1mm
写真:モニターにリアルタイム表示される卓球台の振動の波形/提供:金沢ポート

折しも、サッカーワールドカップでの“三笘の1ミリ”が話題になっていた時期でした。

ボール内蔵チップがボールの位置やタイミングをおよそ1/500秒単位で計測し、ピッチを俯瞰する多くの“ホークアイ”カメラが映像を瞬時に組み合わせ、審判に提供する。さらには場内大型スクリーンで再現CGが再生されることで、観客の理解も促す。

その一連の技術は人工知能(AI)が支えていました。

三笘の1ミリ
写真:“三笘の1mm”/提供:AP/アフロ

卓球にこそ導入するべきだし、できるはずだ、という思いで一致し、やるからには最終的には市民大会レベルでも廉価で導入できて、その技術を多くの人が享受できる未来を目指そう。

金沢市入江の徒歩3分の距離に互いの拠点を持つ、ダイワ通信と金沢ポートの共同開発がスタートしました。

ダイワの1mm
写真:検証実験でエッジ/サイドのギリギリを狙う五十嵐史弥選手/提供:金沢ポート

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