
「“自分が気持ち良いだけの練習”はいらない」徹底した意識改革で全国3位の就実高校卓球部
やるべきことをやって負けたら仕方ない
再び安田監督。今後のことを尋ねた。
写真:練習を見つめる安田征弘監督 学生時代は名門・東山高校でプレーした/撮影:ラリーズ編集部——新チームについてはどうですか? 安田監督:吉井がまだ2年生なのですが、やっぱりもう1人エース級がいないとな、と思ってます。 他のメンバーも結構強いんです。ただ、そこから全国トップに行くには、技術も意識もまだ足りていない。
まあそこは僕の仕事で、どうしたら全国のトップと競争できるのかを考えて、技術を身につけさせてあげる。そこから「私たちは日本一になれる」という意識になって、努力や行動が始まるかなと思ってます。
新チームではエースとしての働きが期待される吉井亜紀(就実高校)——枝廣選手は、その技術や意識が良かったんですね。 安田監督:そうですね、今回のインターハイに関しては、チームとしてある程度そういう風にできたので、良かったと思います。「やるべきことやってるよね。だから最終的に負けても仕方ないやん」っていう状態でした。 岡澤先生も柔道の野村さんに「負けてもいいやん。負けたら日本に帰ろう(笑)」くらいで声を掛けてたらしくて、だから私も真似して、今はあんまり負けて怒ることはしないですし、「負けたらまた帰って練習しよう」って言うだけですね。
写真:就実高校卓球部メンバー/撮影:ラリーズ編集部取材後、岡山駅まで送ってもらう車中(ありがとうございます)で、運転しながら安田監督がこうつぶやいた。
「最終的にはちゃんと自分の意思で選べる人生を歩んでほしいんですよね」。
就実は、ただ一生懸命がむしゃらに頑張るのではなく、結果の出る努力をどのようにしていくかを考える。それは、社会に出たときこそ大切な考え方だからだ。
「そういうことを卓球で感じたり、身につけたりして、選手たちには幸せになってほしいですね」。
就実高校卓球部の強さの理由が垣間見えた気がした。
取材動画はこちら
## 【特集】潜入・高校卓球部
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