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数字で見るメッシVSロナウド、W杯で注目が集まるスターの「ラストダンス」の行方は

11月20日に開幕したFIFAワールドカップカタール2022は、連日各グループで熱戦が繰り広げられている。そんな中、今大会の注目ポイントと言えるのがサッカー界を彩ってきた名手たちが最後のW杯を迎える可能性があることだ。なかでも長年にわたりバロンドールを争い、世界一の選手の評価を二分してきたアルゼンチン代表FWリオネル・メッシとポルトガル代表FWクリスティアーノ ・ロナウドの一挙手一投足には注目が集まる。今回はそんな2選手について過去の名手たちとも比較しながら、歴代最高選手なのかを検証していく。(文・井本佳孝)

メッシはマラドーナ超えに挑む

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写真:メッシ(Jean Catuffe/Getty Images)

カタールW杯初戦のサウジアラビア戦で5大会連続出場となったメッシは、アルゼンチン代表として166試合に出場し92ゴールを記録。これは試合数、得点数ともに歴代トップの数字でアルゼンチンの歴史に残る“生けるレジェンド”だ。今大会でもサウジアラビア戦ではPKからゴールを奪い、ここまで20試合に出場し7得点。これは同じくアルゼンチンのレジェンドであるディエゴ・マラドーナの21試合出場8得点に匹敵する数字であり、今大会でメッシがマラドーナ超えなるかは見ものである。

クラブレベルではバルセロナでラ・リーガを10度、チャンピオンズ・リーグを4度制し、個人では史上最多の7度バロンドールを獲得してきたメッシにとって、キャリアに唯一欠けているのがW杯のタイトルだ。アルゼンチンにおいて比較対象とされるマラドーナは91試合に出場し34ゴールと代表でのスタッツはメッシに劣るが、1986年メキシコ大会では“神の手ゴール”や“5人抜きドリブル”など伝説となったプレーでチームを牽引。5得点5アシストという圧倒的な成績で自国に優勝をもたらし、「マラドーナのための大会」と語り継がれることとなった。

メッシはカタールW杯前に今大会が最後の出場になることを明言してきた。サウジアラビア戦ではまさかの敗戦を喫し黒星スタートとなったアルゼンチン代表だが、長年チームを支えてきたアンヘル・ディ・マリアやFWのラウタロ・マルティネス、守備にもクリスティアン・ロメロやリサンドロ・マルティネスなどタレントを擁する今回のチームは優勝できるポテンシャルを備えたチームだ。グループステージで盛り返し、決勝トーナメントを勝ち上がれるか。メッシがW杯を掲げた時、議論の余地を許さない「史上最高のサッカー選手」が誕生する瞬間となるだろう。

サッカー史に残るゴールマシン、ロナウド

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写真:クリスティアーノ・ロナウド(David S. Bustamante/Soccrates/Getty Images)

一方のロナウドもW杯は2006年ドイツ大会から5大会連続出場となり、初戦のガーナ戦でPKからゴールを沈め史上初の5大会連続ゴールの偉業を達成。同大会での記録は18試合で8ゴールとなった。得点数で比較になるのは“黒豹”の異名でゴールを量産したエウゼビオで、1966年イングランド大会で6試合に出場し9得点を記録したレジェンドにあと1点に迫っている。ポルトガル代表通算では192試合に出場し118ゴールとメッシをも凌駕するゴールマシーンは「史上最高の点取り屋」と呼ぶに相応しい成績を挙げてきた。

クラブレベルではマンチェスター・ユナイテッドでCL1度、レアル・マドリードで三連覇を含む通算4度優勝を勝ち取り、バロンドールには5度輝いてきた。国際大会では2016年のEUROを制したロナウドは、W杯では初出場した2006年大会のベスト4が最高位で、それ以降はベスト16にとどまっている。2014年大会にメッシが到達した決勝の舞台にはたどり着いていない。37歳を迎えていることから今大会がラストの可能性もあり、初戦のガーナ戦で勝利を収めたポルトガルをどこまで導けるかは注目が集まる。

ペレ、マラドーナ、C、ジネディーヌ・ジダンなど、サッカー史に名を残すレジェンドたちに共通するのがW杯制覇の勲章である。クラブでの成績とともに、国を背負って戦うW杯の舞台で結果を残してこそ、国民に英雄として認められる側面がある。メッシ、ロナウドともにサッカー史に名を残すレジェンドであることに異論の余地はないが、最後の勇姿となり得る今回のカタールW杯は、キャリアの総決算として国際レベルで名を刻めるかという部分において、重要な意味合いを持つ大会であるのは間違いない。

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