カナダに4-1の大勝も冨安健洋が感じた課題、日本代表がさらに強くなるために必要なこと
写真:冨安健洋(PA Images/アフロ)
10月13日、MIZUHO BLUE DREAM MATCH2023「日本代表対カナダ代表」の一戦(新潟のデンカビックスワンスタジアム)が行われ、4-1で日本代表が勝利した。
4連勝中の勢いそのままに前半開始早々から攻勢をかけ、前半のうちに3得点を奪うなど早々に試合を決めた。
後半は中村敬斗が足首を負傷しタンカで運ばれるなどアクシデントもあったが、5連勝を達成させた。
前半に連続得点も課題を口にした冨安の凄み
大量得点で盛り上がる会場と「もう1点」と勢いに乗るピッチ上の日本代表選手たち。
そんな最高のムードの中、1人ネガティブな思考を巡らせていた選手が存在していた。
それがこの日CBでスタメン出場していた冨安健洋だ。
前半2分という早い時間帯に田中碧が得点し、その後しばらくは日本の時間帯が続いたが、中盤から前は明らかに攻め急いでおりポゼッションレベルはそれほど高くなかった。
普段からプレミアリーグの強豪アーセナルでプレーしている冨安には、その部分がネガティブに感じたわけだ。
前半の中盤辺りはうまくいかない時間帯が続いたが、40分、42分と立て続けに追加点を奪えたため、結果的に冨安の不安は杞憂に終わった。
しかし、これがもしカナダではなくスペインやフランス、ブラジル、アルゼンチンといった世界の強豪だったならば、追加点は奪えず劣勢に陥ったまま同点弾や逆転弾を許してしまっていたかもしれない。
「今日はゲームマネジメントが良くなかった」
「相手陣内で囲って、ずっとボールを持った方が時間も稼げる」
「確率が高い道を選びたい」
冨安は試合後にこれらの言葉を残した。
まさに強者の考えだ。
確率の低いシュートを数多く打つのではなく、高い位置で奪って素早いカウンターを発動させるシーンもあれば、一度中盤で繋ぎポゼッションを高めながらチャンスを何度も作っていく。
強者側に立った日本が今すべき理想の戦い方があると冨安は感じているのだ。
そうした意味で捉えれば、大勝したカナダ戦も課題があったと判断できるだろう。
もしも中盤に守田英正がいれば、もしも左サイドに三笘薫がいれば、そうした意図的なポゼッションの時間帯を作っていたことだろう。
結果を出した田中碧と中村敬斗だが、まだまだ日本代表のスタメン組には及ばない。
そう感じさせる一戦だった。
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