
「W杯」日本代表は惜しくもクロアチアに敗戦、「新しい景色」はなぜ見れなかったのか
写真:三苫薫(提供:なかしまだいすけ/アフロ)
12月5日、カタールW杯決勝トーナメント一回戦の「日本対クロアチア」の一戦が行われ、1-1(PK1-3)で日本代表は敗れた。
4度目となった「新しい景色」であるベスト8への挑戦は、今回も失敗に終わった。
死力を尽くした日本代表には最大限の敬意を
まずは日本代表の選手たちには「お疲れ様」と伝えるべきだろう。
新型コロナウイルスの影響や物価上昇などで沈んだ空気感漂う日本を、スポーツの力で元気づけてくれた。
結果こそベスト8には届かなかったものの、ドイツとスペインに勝利するという歴史的な偉業を成し遂げた。
Twitterなどでは「日本PK下手」というワードがトレンド入りしたが、一般人であれば足が震えまともに蹴ることすらできないはずだ。
確かにPKも技術の1つだが、そこの部分は批判すべきではないだろう。
「新しい景色」が見れなかったポイント
日本サッカー史上最強とも言えるメンバーをもってしても、ベスト8には進出することができなかった。
しかし、今大会の日本代表は、明らかにこれまでのW杯とは違ったマインドで大会に臨んでいた。
ドイツやスペインといった優勝候補の国と戦っても、リスペクトしすぎず勝ちにいくことができた。
もはや、どんな強豪国との対戦であっても、本気で勝ちを意識しながら戦うことができる国になったと言える。
しかし、「武器の活かし方」に関しては、まだまだ弱小国のマインドであったと言えるだろう。
試合開始から伊東純也を右WBで起用したこと。
そして後半途中から三苫薫を左WBで起用したこと。
日本最大の武器である2人を、WBとして使う判断をしたことで、日本は自らの武器を使いきれなかったと言えるだろう。
伊東と三苫をもう1つ前のポジションで起用できなかったことは、日本サッカーの足りない部分だ。
そして1トップ。
ドイツ戦では浅野拓磨、クロアチア戦では前田大然がゴールを決め、さらにプレスの役割で大きな貢献をしたのは間違いない。
しかし、ベスト8に進出する国々のFWと比べてしまうと、その力不足感は否めない。
中盤に優秀なタレントが多い日本だからこそ、ベスト8という「新しい景色」を見るためには、世界と対等に戦えるCFが2人は必要であると言えるだろう。
また、やはり監督の実力不足も明白だった。
モチベーターとしての能力は明らかに不足しており、コスタリカ戦やクロアチア戦の後半のような勢いが必要な勝負所での選手起用の仕方やタイミングには精神的な弱さが見えた。
今大会でプレーした選手たちの半数以上は、4年後のW杯も目指せるはずだ。
日本サッカー協会を含め、ぜひこのカタールW杯の経験を活かし、もう一度「新しい景色」を見るためにチャレンジしてもらいたいものだ。
Follow @ssn_supersports