サッカーにおけるGK(ゴールキーパー)のポジションの役割
サッカーの試合は「11人対11人」で行いますが、各チーム1人だけ違うユニフォームを着てプレーする選手が存在します。
それが、「GK(ゴールキーパー)」です。
このポジションの選手は、プレー内容がその他の選手たちとは全く異なります。
「フィールドにいる選手の中で唯一手が使える」という最大の特徴は誰もが知るところですが、それ以外にもたくさんの役割を担っているのです。
この記事では、そんな「サッカーにおけるGK(ゴールキーパー)のポジションの役割 」について解説していきたいと思います。
GK(ゴールキーパー)とは?
GKは、冒頭でも挙げた通りフィールドプレイヤーの中で唯一手を使ってプレーできる特徴を持っています。
ただし、その効果はペナルティエリア内でのみとなります。ペナルティエリア外に飛び出してプレーした際は、他のプレイヤーと同じように手以外の部分を使ってプレーしなければなりません。
基本的には、「ゴールを守ること」がGKの大きな役割となります。
相手のシュートを防ぐこと、そしてサイドからのセンターリングに対して前に出てキャッチやパンチングをするプレーが求められます。
また、それ以外にも様々な役割を担っています。
ビルドアップ
30年ほど前のGKは、ゴールマウスを守る役割に徹すれば良く、それほど足元の技術は求められませんでしたが、現代サッカーではビルドアップの役割を担う必要があります。
近代サッカーの戦術では、GKからどのように試合を組み立てていくのかといった決まりごとがあるほど、足元の技術も必要となっているのです。
センターバックやサイドバック(時にはボランチ)からバックパスを受けた際には、大きく蹴るのではなく、敵が少ない方のサイドバックにボールを展開します。また、相手チームがセンターバックやサイドバックへのパスを警戒しているようならば、ワイドに開いたFWに直接パンとキックを使いパスを送ることもあります。
味方チームがボールを保持している時はゴールマウスから離れ、エリア外まで出てビルドアップに参加するケースもあります。
そういった役割を担うため、シュートブロックやハイボールの処理といったプレーだけでなく、フィールドプレイヤー並みの足元の技術も必要になってきているのです。
ドイツ代表の守護神であるマヌエル・ノイヤー選手やフランス代表のウーゴ・ロリス選手は、世界中のGKの中でも抜群にビルドアップが上手だと言えるでしょう。
コーチング
GKは相手がエリア内に近づいてきた際に構えてシュートを静かに待っているわけではありません。
相手チームの選手がどの位置にいて、どこが危険なのかを常に味方選手に伝えています。
現地で試合を観戦してみるとよくわかりますが、常に大きな声を張り上げてフィールドプレイヤーに指示を送っているのです。
それは、「最後方のポジションゆえにフィールド全体を見渡せるから」であると言えます。
シュートを防ぐのもGKの仕事ですが、良いGKであれば味方に対して的確に指示を出しシュートを打たせないことも可能なのです。
日本代表のGKである川島永嗣選手は、日本のGKとしてはトップクラスのコーチング能力を持っています。
実際に目に見える効果ではありませんが、そのコーチングの質によってチーム全体の守備レベルに違いが出るのです。
エリア外に飛び出して守備をする
30年前のサッカーでは、GKがエリア外に飛び出してボールをカットするというプレーはあまり良いプレートは考えられていませんでした。
「飛び出し過ぎ」と注意されることが多かったのです。
しかし、現代サッカーでは、センターバックの裏(場合によってはサイドバックの裏)のスペースに出されたロングボールやスルーパスに対して積極的に飛び出してボールを奪いに行くことが求められます。
カットできるのに飛び出さなかった場合には、あとで指摘されてしまうほどです。
しかし、判断を誤り飛び出したにもかかわらずボールに触れることができなければ、無人のゴールにシュートされてしまうわけですから、非常に高い判断能力が求められます。
世界ナンバーワンGKと称されるマヌエル・ノイヤー選手は、最高レベルのセービングと足元の技術、コーチングと共に、最高クラスの飛び出し技術も持ち合わせているのです。
まさに弱点のないパーフェクトなGKであると言えるでしょう。
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