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来季のCL出場を掴むサムライは 久保建英、堂安律、三笘薫らが挑む欧州最高峰をかけた戦い

2022-23シーズンの欧州サッカーシーンは終盤戦を迎え、各国リーグでは優勝争いや欧州カップ戦のタイトルの行方が絞られてきた。そんななか、注目していきたいのが日本人選手が繰り広げる来季の欧州チャンピオンズ・リーグ(CL)出場をかけた戦い。イングランド、スペイン、ドイツ、スコットランド…。それぞれのリーグで奮闘を続けるサムライたちが欧州最高峰の舞台であるCLに出場できるかは、日本サッカー全体のレベルアップを促していく意味でも大きい。今回はそんなCLをかけた日本人選手たちの現在地と可能性について言及していきたい。(文・井本佳孝)

故障離脱も冨安は来季CL初出場が確実

冨安健洋,サッカー
写真:冨安健洋(提供:アフロ)

イングランドのプレミアリーグで優勝争いを展開するのが、冨安健洋が所属するアーセナル。無敗優勝の偉業を成し遂げた2003-04シーズン以来の戴冠に向けて開幕から好調を維持すると、第32節を終えた時点で暫定ながら2位のマンチェスター・シティを退け首位に立つ。在籍2年目の冨安は左右のサイドバックをこなす貴重なマルチロールとしてバックアッパーを務めてきたが、3月のヨーロッパ・リーグ(EL)で右膝を負傷し今季絶望となった。しかし、アーセナルの来季のCL出場は確実な状況で、来季は万全の状態で自身初の大舞台に挑みたい。

ベルギーでの1年間のレンタルを経て、自身初のプレミアリーグに参戦したブライトンの三笘薫。カタール・ワールドカップ前にレギュラーに定着すると、ここまで24試合に出場して7ゴールを記録し、香川真司(元マンチェスター・ユナイテッド)、岡崎慎司(元レスター・シティ)の日本人年間最多得点記録を更新した。W杯後には決定的な仕事を連発し、ブライトンの攻撃になくてはならない存在へ。完全にチームにおいての立場を確立し、その評価はイングランドでもうなぎ登りな状況だ。

三笘薫,サッカー
写真:三笘薫(提供:REX/アフロ)

そんな三笘を擁するブライトンは、イタリアの新たな知将、ロベルト・デ・ゼルビのポゼッションサッカーが浸透し第29節を消化した時点で勝ち点49を記録し8位と好位置につけている。現時点で3位、4位につけるニューカッスル、マンチェスター・ユナイテッドとは10の差がついているものの、ブライトンは消化試合が1試合少なく、この両者とはともに終盤で直接対決も残している。5位のトッテナム(勝ち点53/32試合)、6位のアストン・ヴィラ(同50/32試合)7位のリヴァプール(同50/31試合)と熾烈な争いが続くなか、三笘にはチームをCL出場に導く仕事が期待される。

フライブルクは終盤に直接対決

久保建英,サッカー
写真:久保建英(Jose Breton/Pics Action/NurPhoto via Getty Images)

今季完全移籍で加入したレアル・ソシエダでレギュラーに定着し、ここ数年続いていた伸び悩みから脱却したのが久保建英。開幕戦から2トップの一角に起用され得点を決めるなど好スタートを切った流れそのままに、ここまで27試合に出場し6ゴールと、乾貴士(元エイバルなど)のラ・リーガ日本人最多ゴール記録を更新した。2月には3試合連続マン・オブ・ザ・マッチに輝く圧巻の活躍で、クラブの月間MVPを獲得した。ダビド・シルバやミケル・オヤルサバルといったクラブを代表する左利きの名手たちとも共存を果たしている。

久保の活躍もあり、前半戦から首位のバルセロナ(勝ち点76)、2位のレアル・マドリード(同65)に続く3位につけていたレアル・ソシエダは、一時期は来季のCL出場圏内は確実かと思われたが、2月以降は取りこぼしが目立つようになり失速。アトレティコ・マドリード(同60)に3位の座を明け渡し、第30節時点で勝ち点54の4位。5位のベティス(同48)、6位のビジャレアル(同47)が接近し、その座は安泰とは言えなくなってきた。第31節でベティスとの直接対決を控えるレアル・ソシエダにおいて、中心を担ってきた久保には大一番での爆発が来季のCL出場に向けてカギを握ってくるだろう。

堂安律,サッカー
写真:堂安律(提供:ANP Photo/アフロ)

久保と同じく負けられない戦いが続くのが、ドイツのブンデスリーガを戦う堂安律。今季から加入したフライブルクはカタールW杯前までは首位争いを繰り広げるなど、躍進を見せるチームはサプライズとなっていたが、第30節時点で勝ち点53の4位と踏ん張り時を迎えている。3位のウニオン・ベルリン(同55)、5位のライプツィヒ(同51)と1試合の勝敗で順位が入れ替わる大混戦となっており、5月に控える第31節のライプツィヒ、第32節のウニオン・ベルリンとの“直接対決2連戦”が来季のCL出場の行方を左右する。

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