堂安律,サッカー,ワールドカップ,W杯

W杯で真のスターに化けるか 堂安律を解説

伊東、久保らとの激しいポジション争い

吉田麻也,選手会長,サッカーワールドカップ,W杯
photo:filipfoto

堂安はユース年代から日本代表を経験し、2017年にはFIFA U-20W杯のメンバーとしてベスト8進出に貢献。さらに、昨夏に行われた東京五輪では日本の10番を背負い、久保らとともに攻撃陣を牽引しベスト4入りを果たした。森保監督が率いるA代表には2018年の発足当初から召集されアジア杯ではレギュラーとして南野拓実らとプレーするなど、カテゴリーを変えながら着実に経験を積んできた。

しかし、堂安が得意とする右サイドにはW杯最終予選で日本の救世主として活躍した伊東純也がレギュラーとして君臨しており、3歳年下の久保もこのポジション争いに加わっている。日本代表の“最激戦区”とも呼べる右WGで出場機会をうかがっており、W杯のメンバー入り、さらに本大会のレギュラーを掴むために日本代表だけでなく、クラブチームでも目に見える結果を残しこの競争に勝ち抜いていく必要がある。

先日行われた国際親善試合、キリンカップではゴールこそ生まれなかったもののゴールを奪いにいく積極的な姿勢を見せるなど、生き残りをかけた戦いで持ち前の強いパーソナリティーを見せつけた。日本の右サイドの切り札である伊東がレギュラーである状況は変わらないものの、久保らを含めた熾烈なポジション争いを勝ち抜くべく、このレフティーは虎視眈々とその座を狙っているだろう。

若くして海外に挑戦し、欧州で壁にぶつかりながらも貪欲な姿勢と強いパーソナリティーでそれを跳ね返してきた24歳。ドイツ、コスタリカ、スペインという難敵ぞろいの“死の組”に入った日本にとって、逞しさを増した堂安というカードが必要になる場面が見られるはずだ。森保ジャパンを史上初のベスト8に導くため、また自身が選手としてさらに高みを目指すためにW杯という大舞台で結果を残すことができるのか。若くして経験を積んできたアタッカーが見せる逆襲劇に期待だ。


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