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C・ロナウド獲得で話題のサウジの強豪「アル・ナスル」とは? 更なる大物移籍の噂も

写真:クリスティアーノ・ロナウド  提供:David S. Bustamante/Soccrates/Getty Images

欧州を中心にサッカー界では冬の移籍シーズンとなっているが、12月31日に発表されたのがクリスティアーノ・ロナウドのアル・ナスル(サウジアラビア)への加入。レアル・マドリードやマンチェスター・ユナイテッド、ポルトガル代表などで数々の記録を塗り替えてきたサッカー史に残るゴールハンターが新たに求めたのはサウジアラビアの地。今回はロナウドが移籍したアル・ナスルについて、歴史や現在のメンバー、ロナウド獲得の影響や新たな大物移籍の噂などさまざまな観点でこのチームを紐解いていきたい。(文・井本佳孝)

カタールW杯に6人が選出

アル・ナスルは1955年に創設されたクラブでサウジアラビアの首都リヤドにホームタウンを構える。サウジ・プロフェッショナルリーグを9回、1997-98シーズンにはアジア・ウィナーズカップ(現AFCチャンピオンズリーグ)とアジアスーパーカップのタイトルを獲得。2018-19シーズンのリーグ制覇以来、タイトルからは遠ざかっているが、サウジアラビアではアル・ヒラルに次ぐ名門チームとして歴史に名を刻んできた。

過去には1994年のアメリカ・ワールドカップ得点王でブルガリアの英雄として知られるフリスト・ストイチコフや、1998年、2002年W杯のブラジル代表で、世界きってのドリブラーとして活躍したデニウソン、1997年から横浜F・マリノスに在籍した元ボリビア代表のフリオ・セサル・バルディビエソらが在籍。サウジアラビア人を中心に構成しながら、要所で助っ人外国人でチームを強化する流れは日本のJリーグにも通じる面がある。

現在のチームからはカタールW杯のサウジアラビア代表に6人が選出されており、12人が招集されたアル・ヒラルに次ぐ数字となっている。また、バイエルン・ミュンヘンやヴォルフスブルクで活躍した2014年W杯ブラジル代表メンバーのルイス・グスタヴォや、アーセナルやナポリで守護神を務めたコロンビア代表のダビド・オスピナらが所属。彼らを率いる指揮官がリュディ・ガルシアで、フランスのル・マン時代に松井大輔、マルセイユ時代に酒井宏樹を指導しており日本でも馴染み深い監督が指揮を執る。

さらに続くビッグネーム獲得の噂

サッカー,スタジアム
提供:Artsanova

アル・ナスルはロナウドと2025年6月までの2年半の契約を結び、コマーシャル料などを含めると年俸は2億ユーロ(約280億円)にわたるという。莫大な資金力でサッカー界を牽引してきたアイコンを手に入れたことは、サッカー面はもちろん、世界中にアル・ナスルというクラブを宣伝していく広告塔としてもロナウドが果たす役割は大きい。日本ではヴィッセル神戸がルーカス・ポドルスキやアンドレス・イニエスタ、ダビド・ビジャら大物を獲得してきたが、アル・ナスルも同様に戦力面以外に世界にクラブを発信できる面でメリットは少なくないだろう。

ロナウドを手に入れたアル・ナスルはさらに欧州のマーケットに触手を伸ばしているとされる。バルセロナで黄金期を築き、カタールW杯ではスペイン代表の主将を務めたセルヒオ・ブスケッツや、2018年のW杯優勝メンバーであるチェルシーのエンゴロ・カンテ、ドルトムントのアタッカー、ドイツ代表のマルコ・ロイスなど、錚々たるスター選手の獲得を試みようとしている。ロナウド獲得からの相乗効果でサウジアラビアに“銀河系軍団”が誕生していくのかは興味深い。

また、ロナウドの獲得はサウジアラビアサッカー界全体にもたらす影響も少なくない。サウジアラビアは2030年のW杯にエジプト、ギリシャとの共同開催で招致を目指しているとされており、ロナウドの高額な年俸には選手面としてのサラリーだけでなく、W杯招致に向けたアンバサダーとしての役割や、サウジアラビアサッカーを世界に発信していくための宣伝費も含まれているとされる。

SNSでの総フォロワー数が5億人を超えるというロナウドのアル・ナスルでの一挙手一投足は世界中のサッカーファンの目に届くことにもつながる。欧州で数々の栄光を手にしてきたロナウドがサウジアラビアで見せる新たな挑戦は、サッカー界全体を揺るがすほどの影響力があるといえる。


(次のページ「メッシとの共演見られるか」へ続く)

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