
写真:上田綺世(提供:なかしまだいすけ/アフロ)
今夏の欧州サッカーでは多くの移籍が成立しているが、特に目立つのは身長185㎝以上の「大型CF」の移籍だ。
アーセナルがスポルティングのヴィクトル・ギェケレシュを獲得し、リバプールはフランクフルトからウーゴ・エキティケ、チェルシーはブライトンからジョアン・ペドロを獲得している。
さらにマンチェスター・ユナイテッドがベンヤミン・シェシュコの獲得に迫っている。
マンチェスター・シティのハーランドなど既存の大型CFを含めれば、プレミアリーグは「大型CF時代に突入」と言っても過言ではないだろう。
ターゲットマン&決定力が重宝される時代に
2010年代のバルセロナを筆頭に、ここ10年以上は「大型CF不遇の時代」となっていた。
「絶滅危惧種」と称されることもあった彼らだが、欧州サッカーの変化によって再び日の目を浴び始めている。
生粋のストライカーであるロベルト・レヴァンドフスキがバルセロナで結果を残し、ハーランドが2年連続プレミア得点王に輝くなど、ビッグクラブで重要な戦力として輝いたのだ。
その逆に得点力が高くなく機動力を活かしスペーシングで貢献するCFを起用したクラブはここ数年苦戦を強いられてきた。
3シーズン連続でプレミアリーグ2位と優勝を逃し続けるアーセナルを例に出せばわかりやすいだろう。
今夏の移籍によってリバプール、アーセナル、チェルシー、マンチェスター・シティといったビッグクラブはいずれも大型CFを配置し、マンチェスター・ユナイテッドもシェシュコを獲得し上位進出を狙う形となる。
日本代表もW杯ベスト8以上を目指すならば大型CFを起用すべきか
クラブレベルでは大きな変化が起こっているが、今後代表レベルでも同様の流れは来るだろう。
細谷真大は178㎝、古橋亨梧は170㎝、前田大然は173㎝、浅野拓磨は173㎝とサイズが小さいため、これからの主流には当てはまらないだろう。
日本代表のCFで「大型CF」と言えるのは、上田綺世(182㎝)と小川航基(186㎝)、町野修斗(185㎝)、大橋祐樹(181㎝)の4選手か。
世界的に見れば180㎝台前半や中盤は大型CFとは言えないが、ポストプレーが一定以上でき得点力のある選手といった意味では、この4人が該当するだろう。
ただし、現代で求められるCFの役割は、ポストプレーと得点力だけでなく、「一定以上のプレス能力」も加わる。
つまり、日本代表がW杯ベスト8を実現させるには、このいずれかの選手がCFとしてワンランクアップしなければならないわけだ。
あと1年となったW杯までに誰が現代CFのレベルに近づくことができるのか、注目しよう。
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