【湘南ベルマーレ 岡本拓也選手】サッカー人生に後悔を残したくない【CROSS OVER Vol.5】

「このままでは終われない」長崎への移籍を決断

――2013年夏に移籍を決断していますが、ご自身の中で決断に至った理由を教えてください。 当時のレッズはミシャ(ミハイロ・ペトロヴィッチ監督:現・北海道コンサドーレ札幌)が監督で、練習内容に11対11の紅白戦があるんですが、この11対11に入れない選手は反対側でボールを蹴ることしかできないんですよ。 この状況がきつくて自分の中で腐ってしまう部分もあり「このままだとサッカー選手として終わってしまう」と感じ、移籍を決断しました。 その時、実は「V・ファーレン長崎」だけでなく「横浜FC」からもオファーがあったんですよ(笑)。 ――もしかしたら一緒にやっていた可能性がありましたね(笑)。長崎での1年半はかなり試合に絡んでいたと思いますが、充実していましたか? 高木監督はめちゃめちゃ厳しくてキツかったけど、試合に出れる充実感はありました。当時長崎はJFLから上がったばかりのチームで、凄くハングリーさがあって楽しかった記憶があります。

成長を実感できた湘南での1年

――2013年夏にV・ファーレン長崎へ移籍し、2016年には湘南ベルマーレへ期限付き移籍となりましたが、その背景を教えてください。 自分の中でも自信がついて「もう一度浦和で勝負しよう!」と思って戻りましたが、結果的にあまり出場機会が得られませんでした。そんな時に湘南ベルマーレからオファーをいただいたんですね。 同世代の直輝くん(山田直輝)や、浦和で一緒にプレーしていた坪さん(坪井慶介)もいましたし、元々よくチェックしているチームだったこともあり、チャレンジする事に決めました。 ――2017年はJ2優勝。年間を通してリーグ出場数が30試合を超えたのは初めてですが、2017シーズンはご自身にとってどのようなシーズンでしたか? まずJ2でも勝つのが本当に難しいと感じた中で、1試合1試合を必死にやった結果が「優勝」という形でした。 曺さん(曺貴裁:現・京都サンガF.C.監督)の練習はキツいんですよ。そのシーズンは負けたらオフ明けに「砂浜集合」で、もう何回砂浜を走ったかわからないです(笑)。

身をもって感じた「言い合える関係性」の大事さ

――2019年に湘南ベルマーレへ完全移籍。この決断をした背景にある、ご自身の想いを聞かせてください。 前年にルヴァン杯で優勝するなど結果が出て、自分の中で凄い充実感がありました。クラブが成長していく中で、「ここで戦いたい」という想いが強くなっていきましたね。 ――当時の湘南ベルマーレといえば、選手同士が試合後に本音を言い合ってぶつかるシーンが話題になりましたが、実際にいた選手としてどう感じていましたか? あれは凄かったですよね(笑)。ただ、ああやって遠慮せずにみんなが思っている事を言い合えたからこそ、絆が深まった感覚はありましたね。 ベテランの人達が始めてくれたので、自分達も言いやすかったです。ちなみに僕も言いました。梅崎さんに(笑)。 先輩たちの器の大きさがあってこその出来事だったし、言い合える関係性って本当に大事だなと感じました。 ――在籍年数が9年目。ご自身の中にある湘南ベルマーレへの想いを聞かせてください。 連続在籍年数だと1番長いですね。先輩達がベルマーレでの「湘南スタイル」を伝えてきてくれたように、自分も後輩たちへ伝えていかなきゃいけないなと思ってます。 ここで培ったものが多いので、本当に感謝しかないです。

素晴らしいと感じられるサポート体制

――少し話は変わりますが、これまでの怪我の経験を教えてください。 怪我はめちゃめちゃしてます(笑)。オペも4回経験してます。脱臼で肩が1回、膝の半月板で2回、第五中足骨で1回ですね。筋肉系はそこまで多くないですが、今年1回怪我しました。 ――今仰っていた筋肉系の怪我で「PFC-FD™療法」を受けられたと思いますが、どのような怪我だったのでしょうか。また実際に受けられていかがでしたか? ハムストリングスの肉離れです。PRPはこれまでに何度も受けていたので、効果があることは知っていました。 ハムストリングスの怪我は全治6週間ぐらいと言われていたんですけど、「PFC-FD™」を打って、3週間ぐらいで復帰することが出来ました。 メディカルチェックで採血するタイミングでこういう取り組みを始めることを知り、「めちゃいいじゃん!!」って思いました。本当にありがたいなと思います。 選手は怪我すると不安になるし、その期間を少しでも縮められるのなら、素晴らしいですよね。 ――現在31歳ということで選手としてはまだまだここからだと思いますが、今後のサッカー人生について、ご自身の中で考えている事があれば教えてください。 「出来るだけ長くやりたい」というのと「サッカー人生に後悔を残したくないな」と思っています。 35歳まで選手を続けられたらバンバンザイですね。

インタビュー後記

実際にピッチ上でマッチアップしていた選手へのインタビューは、不思議な感覚でした。非常に若くしてビッグクラブで酸いも甘いも経験をし、今は「湘南スタイル」を体現する岡本選手。今後もさらに期待しかないです。 また、ピッチ上では”ファイター”のイメージが強い岡本選手でしたが、実際にお話してみると物腰が柔らかくて、そのギャップがこれまた良かったです!もっと話を聞いてみたくなりました!岡本選手、ありがとうございました。

関連記事