
サッカーにおけるハンドは故意でなければ反則にならないの?
サッカーの試合でボールを扱う時は、「手」以外であればどこを使ってもOKです。
手を使っていいのはゴールキーパーだけで、それもペナルティーエリア内の実に限定されています。
しかし、展開が目まぐるしく変化するサッカーの試合では、手にボールが当たる「ハンド」という反則が審判に気づかれないケースもあり、度々大きな問題となってきました。
特に物議をかもすハンドが、「故意にハンドをしたかどうか」の判断です。
この記事では、そんな「サッカーにおけるハンドは故意でなければ反則にならないの?」という疑問について解説していきたいと思います。
サッカーのハンドのルール(2022年現在の規定)
サッカーにおけるハンドのルールは、その他のルールと同様に不定期で改正されてきています。
2019年に行われたルール改正では、ハンドについて2点ほど判定基準が明確化されました。
ハンドにおける腕と肩の位置について
これまでサッカーの試合では、長らく「腕に当たればハンド」であり「肩はハンドではない」という解釈をされてきましたが、その境界線については審判に委ねられていました。
それゆえに、「腕に近い位置に当たったが肩と捉えられ反則にならなかった」というケースや、その逆のケースなども頻繁に起こっていました。
2019年のルール改正では、「腕の付け根になる脇の奥」が基準となりました。
腕を下げた状態で、そのわきの奥から地面と平行に線を引いた線上を境界線と定めたのです。
これにより、腕と肩の境界線が明確になったのです。
故意のハンドかどうかの判断基準
サッカーでは、故意でなければハンドの反則になりません。
それゆえに、「故意かどうか」の判断が非常に重要となりますが、これに関しても、2019年のルール改定で明確化されました。
①ボールやその進行方向に対して手や腕が動いているか
②手や腕が体の幅を広げるような位置にあるか
③手や腕がプレー状況に応じた自然な動きか
このような判断基準が定められたのです。
サッカーでは、相手がドリブルを仕掛けようとしたときなどに手を広げて圧力をかけることもありますが、この状態でボールが手に当たってしまったら②に該当しハンドとなります。
また、一見すると故意ではないように見えても、プレーと手の動きが不自然である場合には③に該当するのでこれもハンドの反則となります。
基準はできたが故意かどうかは本人にしかわからない
近年のサッカー中継を観ていると、相手選手がシュートを打つ際にディフェンダーが後ろ手を組みながら足でシュートコースを塞ぐシーンを良く見るようになりましたよね。
あの行為はまさしく「故意ではないのに故意とみなされる確率をゼロにする手段」なのです。
前述した通りハンドの故意かどうかの判断基準はできたものの、実際には故意でハンドをしたかどうかは本人にしかわかりませんよね。
シュートコースを足で塞ごうとした際に、バランスを取る為に出した手にボールが当たったとしたならば、基本的には③に該当し、ハンドとはならないはずです。
しかし、それがもしも②のように体の幅を広げる動きだと判断されてしまったら、ハンドとなってしまいます。
シュートやパスの軌道上に手や腕を動かす①のようなプレーであれば、審判も迷うことなくハンドの判定を下せますが、②と③については基準はできたものの完璧には判断できないというのが現実だと言えるでしょう。
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