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【連載】サッカーW杯、10倍面白く見るために「日本、死の組へ。ドイツはなぜ強いのかを解説」

日本のカギ握る“デュエルキング”

そんな百戦錬磨の選手たちを備えた相手を前にW杯の初戦で挑む日本だが、これまでの対戦成績は1分け1敗。ジーコが監督を務めていた2004年にキリンチャレンジカップで対戦し0-3の完敗。

2006年ドイツW杯前の親善試合でも再びこのチームに挑むと、高原直泰が2ゴールを奪う活躍を見せて2-2の引き分けに持ち込んだ。これまで勝利したことがなく、W杯での豊富な実績と経験、世界レベルのタレントを合わせ持つドイツからの勝点奪取は、森保監督率いるチームにとって簡単なミッションとは言えないだろう。

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打倒ドイツを掲げる上で外せないキープレイヤーが遠藤航である。2018年に浦和レッズからベルギーのシント=トロイデンに移籍すると、翌2019年には当時ドイツ2部のシュツットガルトに戦いの場を移し、チームの中心選手に成長した。2020-2021シーズンにはブンデスリーガ1部でデュエル勝利数ナンバーワンに輝き、今季からはチームのキャプテンも務めるなど絶対的な存在として、森保ジャパンでも代わりが務まる選手は見当らない。

遠藤はシュツットガルトで、今回の主軸が多く所属するバイエルンとここまで3度対戦し0勝3敗とその驚異をリーグ戦でまざまざと体感してきた。ミュラーや19歳ながらバイエルンで出場機会を得るジャマル・ムシアラ、プレミアリーグのチェルシーでCL優勝を経験したカイ・ハフェルツといった選手たちは直接のマッチアップが予想される。ポジショニングに優れボールを引き出し、前線のティモ・ヴェルナーにチャンスを供給するだけでなく、自ら得点を奪ってしまう猛者たちを前にして、ドイツの地で“デュエル・キング”と評価を高めた遠藤が対人能力の高さで1対1を制することができるか。劣性で押し込まれる展開が予想されるなかで試合の行方に大きな影響を及ぼすだろう。

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6大会に出場してきた日本のW杯の歴史の中で、グループステージを突破した3大会ではいずれも初戦に勝ち点を奪取し、敗退した3大会では初戦に敗れる結果となっている。“死の組”と呼ばれる厳しいグループに入った中でも初戦に立ちはだかるドイツという高い壁。伝統と歴史、世界レベルのタレントに加えて、フリック率いるクラブ化された構築力を持つ今回の“ディー・マンシャフト”は一筋縄ではいかない相手であることは間違いない。(スペイン編に続く)


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