エムバペのマドリー行きが加速!? マドリディスタは“未来のエース”に拍手喝采!「この一戦がターニングポイント」
現地時間3月9日、チャンピオンズ・リーグ(CL)の決勝トーナメント1回戦セカンドレグが行なわれ、パリ・サンジェルマンは1-3でレアル・マドリーに敗れて、合計スコアで2-3と逆転を許し、敗退が決定した。
ホームでのファーストレグを1-0で制していたパリSGは、敵地サンチャゴ・ベルナベウに乗り込み、39分に左サイドを駆け上がったキリアン・エムバペがマーカーを前にしながらも、鋭いシュートでゴールネットを揺らして先制する。
これで優勢な状況となり、その後もチャンスを創ったパリSG。だが、61分にGKジャンルイジ・ドンナルンマがカリム・ベンゼマのプレッシャーを受けて中途半端なパスを出したことで同点に。ホームチームを勢いづける一発となり、そこからの17分間でベンゼマのハットトリックを許した。
カタール資本下で多くのスター選手を集めているパリSGは、悲願のタイトルであるCLを手に入れるため、昨夏にバルセロナを衝撃的に退団したリオネル・メッシを迎え入れ、ネイマール、エムバペとともに強力3トップを形成して臨んだ。
だが、クラブ史上初の決勝進出を果たすもバイエルンにトロフィーを奪われた一昨季の雪辱どころか、ベスト16止まりで今季の挑戦は終了。想定外の結末に、誰もが冷静さを失い、判定に納得がいかないナセル・アル・ケライフィ会長は審判団の控室に殴り込み、互い口論を展開した選手も……。
ファーストレグで後半アディショナルタイムに劇的な決勝ゴールを挙げ、今回も2度ゴールネットを揺らす(先制点の5分前にVARによって無効)など、輝きを放ったエムバペにとってもショッキングな終戦となった。
多くの現地メディアはこれが、彼にとってパリSGでの最後のCL挑戦になると見ているようだ。今季で契約満了を迎える23歳は、クラブからの契約延長の申し出を再三断り続けており、来季フリーでのマドリー行きを望んでいるといわれる。
ファーストレグ終了の際には、マドリーの不甲斐ない戦いぶりにエムバペが自らの去就を再考し始めたとの報道も流れたが、セカンドレグを終えて敵将カルロ・アンチェロッティが口にした「ベルナベウの魔法」を目の当たりにしたことが、フランス代表FWの去就決定に大きな影響を及ぼすだろうと、マドリーのOBで現在はコメンテーターを務めるホルヘ・バルダーノは指摘している(マドリードのスポーツ新聞『MARCA』より)。
「最終的にエムバペがどのような決断を下すかは分からないが、この一戦がターニングポイントになるのは明らかだ。この欧州カップ戦におけるマドリードの素晴らしい夜を経て、これまでベルナベウについて彼が聞いてきたであろうことが、全て本当であることが分かったはずである」
また、英スポーツ専門ラジオ局『talkSPORT』は、移籍専門のジャーナリストであるファブリツィオ・ロマーノ氏の「エムバペはベルナベウでの試合の前、マドリーのファンから拍手喝采を浴びた」というツイートを引用し、一部のマドリディスタが、「来夏のエムバペ獲得に向けて早くも準備を進めている」と報道。
そして、「39分にマドリーを追い詰めるゴールを彼が挙げた際には、もちろん歓声が上がることはなかったが、後半に起こったことは、間違いなく彼の移籍を前進させるだろう」と綴った。
英国の日刊紙『The Telegraph』は、「パリSGのCL敗退を機に、マドリーがエムバペとの契約に向けて動く」と伝えており、またマドリーの専門メディア『THE REAL CHAMPS』はスペインのデジタル新聞『vozpopuli』からの情報として、「すでに事前の契約をマドリーとエムバペは交わしている。パリSGからの世界最高給となるオファーに対しても、彼は何ら躊躇うことなく断った。マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長は、成約済みだと信じており、もはやこれを妨げるものは何もない」と断定すらしている。
元フランス代表MFのロベール・ピレスは、『MARCA』紙で「23、24歳の選手に、もしマドリーのようなクラブからオファーがあるなら、行くべきだと思う。もし、彼がこれを受け入れるなら、世界一の選手となることができるだろう」と、後輩の「エル・ブランコ」入りを後押ししているが、予想通りの結果となるか、あるいはパリSGが財力で逆転するか、さらには別のクラブがこの争いに割って入るか……。今後も要注目である。
構成●THE DIGEST編集部
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