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「汚い嘘に満ちた告発」ストイコビッチ、レッドスターGMを告訴と現地報道。古巣クラブは徹底抗戦を宣言、サッカー協会は理事会で対応を決定

古巣のGMからの批判の声に、ストイコビッチも黙ってはいられなかったようだ。(C)Getty Images
現地時間3月6日に行なわれたセルビア・スーペルリーガの第26節でパルチザンがスパルタク・スボティカを1-0で下して首位を維持した際、決勝PKが不可解なVARによって生み出されたとして、ライバルのレッドスター(勝点2差で2位)が怒りの告発を行なった。

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そこでは、「レッドスターを勝たせないよう(パルチザンを優勝させよう)という力が働いている」と、セルビア・サッカー協会(FSS)などの統括機関を猛批判するとともに、その背後にいる存在として、現在セルビア代表監督で、現役時代はレッドスターでプレーした「ピクシー」ことドラガン・ストイコビッチを挙げ、激しく糾弾した(スポーツサイト『MOZZART SPORT』等セルビアの各メディアより)。

「ストイコビッチが代表チームでの成功(カタール・ワールドカップ予選突破)を利用し、FSS全体に大きな力を得たのは公然の秘密である。彼は今、文字通り全てを支配している。協会の政治面はもちろん、審判組織にもその力が及んでいる。彼が虚栄心と自身のエゴのために、その立場や権力を乱用し、レッドスターの利益に反する行為に突き進むことを許すことはできない」

レッドスターの元選手であり、クラブの「五星人」にも選出された絶対的なレジェンドであるピクシーはまた、引退後には会長も務めるなど、彼のキャリアにおいて切っても切り離せない存在だが、レッドスター側は今回の声明で「ストイコビッチは15年間も、マラカナ(レッドスターのホームスタジアム)に足を運んでいない」と主張し、良い関係ではないことを窺わせていた。
これに対し、沈黙を保っていたピクシーも声明を発表。「私に対する、おぞましく汚い、価値のない嘘に満ちた告発を読んだ時、私がどれほどのショックを受けたかを表現する言葉を見つけるのは難しかった」と心情を明かした後、レッドスターのゼネラルマネジャーであるズベズダン・テルジッチを名指しで批判。「彼がこのような言動をしたのは、今回が初めてではない。以前は、これを無視していた。個人のことより、国の利益を重視して代表チームの仕事に集中すべきと思ったからだ」と指摘した(『nova』等複数メディアより)。

そして、彼は訴訟を決意。「テルジッチは越えてはならない一線を越え、私を選択の余地がない立場に追い込んだ。今後は、法的に私自身の誠実さ、評判、名誉を保護するために、法廷で戦うことにした」と明かし、以下のように続けた。
「このような侮辱や誹謗中傷を容認することはできない個人に対する訴訟を準備するために、彼への訴訟準備のために、弁護士を雇った。次の代表試合やカタール・ワールドカップに向けて準備するための、平和な期間を過ごしたかったが、残念ながらこれには対処しなければならない。今後のことは国民も知ることになるだろう」

テルジッチGMとピクシーの微妙な関係は、国内では以前からの関心事であり、これまでにも「私はセルビア代表がカタール・ワールドカップ予選でポルトガルを下した際、真っ先にピクシーを祝福したが、我々がダービー(パルチザン戦)で勝っても、彼から祝福が届いたことや、彼がメディアでレッドスターを祝福したことは、一度もない」と、テルジッチGMはクラブのレジェンドの姿勢を批判していた。

ピクシーから示された法廷での対決姿勢に対して、レッドスターはテルジッチGM個人ではなく、クラブとして声明を発し、「ストイコビッチはレッドスターへの嫌がらせを続けている。今回の訴訟発表は、当クラブへの圧力であると考えている。我々は彼からの脅威に関係なく、クラブの利益を守るための戦いを諦めない」として、徹底抗戦することを宣言している。
なお、レッドスターの批判の対象となったセルビア・サッカー協会も声明を発しているが、こちらは具体的な名前を出さず、「ここ数日の間に、ストイコビッチ代表監督、審判委員会、サッカー協会に向けられた不適切な発言や、根拠のない攻撃に対して、我々は何らかの対応の必要性に迫られている。今月15日に開催される理事会で、適切な決定を下し、発表する予定である」と発表した。

セルビア・サッカー界で勃発したこのネガティブな“対決”。果たして、真相は明らかになるのか。そして、いかなる結末を迎えるのか。今後の動向を見守りたい。

構成●THE DIGEST編集部

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