ベティス戦で早期交代の久保建英に現地メディアの評価は?攻撃では「高品質の輝きを放った」が、守備では「何度かポジショニングを誤った」
現地時間2月20日、ラ・リーガ第25節が行なわれ、2連勝中だったマジョルカは1-2でベティスに敗れた。
3位につける強敵の本拠地に乗り込んだマジョルカは序盤から主導権を握られ、25分にアレックス・モレノのヘディングシュートで先制を許す。試合が終盤に入った75分に、好調ヴェダト・ムリチの鮮やかなヘッド弾で追いついたが、83分にロドリゴ・バタグリアがVARの末にハンドをとられてPKを与えてしまい、ウィリアン・ジョゼに決められて万事休した。
苦しい中でも同点に追いついたものの勝点を得られず、さらに前半にはMFイニゴ・ルイス・デ・ガラレタがビクトル・ルイスの背後からのタックルで膝に大きなダメージ(後に左膝前十字靱帯断裂とクラブが発表)を負って交代退場を余儀なくされるなど(V・ルイスは警告止まりでVAR検証もなし)、アウェーチームにとっては失ったものの方が多い試合となったが、5試合連続でスタメン出場を果たした久保建英にとっても悔しさの残る一戦となった。
2列目右サイドに入った彼は、押され気味の試合の中で幾度かチャンスを創出した一方で、守備でも3度のタックル(全て成功)やクリアも見せて奮闘したものの、右サイドの空いたスペースを相手チームに利用されることが多く、1失点目では左SBのA・モレノの上がりに対して対応が遅れてフリーでのシュートを許してしまう。そして、45分を終えたところでイ・ガンインとの交代をルイス・ガルシア・プラサ監督から命じられた。
現地メディアの評価は様々で、マドリードのスポーツ紙『AS』は3点満点での採点で1点止まりとし、「クボはそのクオリティーの高さでサイドから相手守備陣にダメージを与えるよりも、A・モレノへの対応に集中した」と伝えた一方で、「ボールを持つたびにハイクオリティーの輝きを放つ。リーグ屈指の左利きのひとり」と攻撃時のプレーを称賛している。
また、早期の交代については「良いレベルでプレーしていたクボの交代は残念だ」、そして後半のチームに触れた際にも「パンチ力が不足しており、クボの左足が恋しい」と綴るなど、高く評価。一方、同じマドリードの『MARCA』紙は同じく採点で1点、またバルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』は5点満点の採点で2点と、こちらも低めで記事での特別な言及はなかった。
スペインの通信社『EFE』は、久保がA・モレノに対する守備でのカバーに追われながらもムリチへの鋭いパスなど攻撃で幾つか光るプレーも見せたことを伝えるとともに、「マジョルカはクボとFWアンヘルを下げて危険なベティスに対応しようとしたが、後半、(ベティスの)セルジオ・カナレス以外に洞察力に富んだ選手はいなくなった」として、久保の早期交代にはネガティブな反応を示している。
マジョルカの地元紙『Ultima Hora』は守備面に注目し、「クボは(序盤に)ファンミのシュートを防いだが、その後のA・モレノのゴール場面ではこのカタラン人選手の走りについていくことができなかった」と報道。また、セビージャのメディア『Diario de Sevilla』はベティスの視点で先制点の場面を「守備の選手が誰も来ない中で——この時はクボ——A・モレノは十分な時間を持って文句なしのシュートを放った」と振り返った。
最後にマジョルカの地元メディア『ok baleares』は「L・ガルシア監督は右サイドの“出血”を止めるためにハーフタイムでクボをベンチに下げた」と采配の理由を綴り、選手個々の寸評の記事では、この日本人選手に対して「A・モレノによって守備に奔走させられた。クボは何度かポジショニングを誤った。その最も大きな例が1失点目だ。そしてハーフタイムで交代させられた」と綴っている。
構成●THE DIGEST編集部
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