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CLに続きクラブW杯でも決勝点のハベルツが明かした偉業達成の秘密とは!? 殊勲のルカクにはレジェンドからメッセージ

大仕事を成し遂げたハベルツは、チームメイトからのサポートに感謝した。(C)Getty Images
 現地時間2月12日、FIFAクラブワールドカップの決勝が行なわれ、欧州王者のチェルシー(イングランド)が南米王者のパルメイラス(ブラジル)を延長戦の末に2-1で下し、クラブ創設118年目にして初の世界一に輝いた。

 UAEの首都アブダビのアル・ジャジーラ・ムハンマド・ビン・ザーイド・スタジアムで行なわれた一戦、準決勝でアジア王者アル・ヒラル(サウジアラビア)を下したチェルシーは、アフリカ王者のアル・アハリ(エジプト)を抑えて決勝に進んできたパルメイラス相手にボールポゼッションやチャンスの創出数で上回り、55分にセットプレーからロメル・ルカクのヘディングシュートで先制。しかし64分、競り合いからのチアゴ・シウバのハンドでPKを献上し、ラファエウ・ヴェイガのキックで同点とされる。

 その後も訪れたチャンスを両チームは活かせずに延長戦に突入。ここでもゴールはなかなか生まれず、PK戦決着の可能性が高まってきた115分、パルメイラスのゴール前でセサル・アスピリクエタのシュートがルアンの腕をヒット。VAR検証によってPKがチェルシーに与えられ、これをカイ・ハベルツがゴール左隅に流し込み、土壇場で決勝点を奪った。
  初めて欧州制覇を果たした2012年に世界一を懸けた戦いに臨むも、横浜での決勝でコリンチャンスの前に涙を飲んでおり(0-1の敗戦)、今回2度目の挑戦で同じブラジルのクラブ相手にリベンジを果たしたチェルシー。新たなビッグタイトルをもたらしたトーマス・トゥヘル監督は「終了間際のPKはラッキーだったが、我々はチャンスを創り続け、挑戦を止めず、常に積極的だったので、勝利に値したと思う。タフな相手との決勝だったが、素晴らしい勝利を収めることができた」と満足感を示し、以下のようにも語っている。

「前半は行き詰まり、苦しんでいた。後半は少し組み立てを変えて良くなったが、同点とされてからはゼロからの再スタートを強いられ、精神的にも肉体的にも簡単ではなかった。しかし、我々は攻撃を止めることなく、90分間、チャレンジを続けた。延長戦で再び攻守でやり方を変更した結果、試合を完全にコントロールすることができた。交代選手たちも、チームに大いに好影響を与えた」

 この勝利を、長年にわたって莫大な投資を続け、ついに全てのタイトルを獲得したオーナーのロマン・アブラモビッチに捧げたというトゥヘル監督はまた、決勝のPKを冷静に決めた同じドイツ人のハベルツに対しても「あのPKを蹴るのは簡単なことではなかっただろう。カイがステップアップしてくれたことを喜ばしく思う。彼が成長を遂げる上で素晴らしい経験だった」と賛辞を贈っている。
  ハベルツといえば、昨夏のマンチェスター・シティとのチャンピオンズ・リーグ(CL)決勝でこの試合唯一の得点者となっており、欧州制覇、世界制覇のための決勝ゴールを決めるという偉業を成し遂げた。これは、2011年のリオネル・メッシ(当時バルセロナ)以来であり、トヨタカップ時代(1980年~)を含めても、他には1990年のフランク・ライカールト(ミラン)しか例がない(PK戦は除く)。

 殊勲の22歳は「『世界王者』というのはとても良い響きであり、素晴らしく信じられない気持ちだ。我々は勝者に相応しかったと思う」と喜びを表わすとともに、決勝PKについても「正直に言えば、大事なPKであり、大事なゴールであり、とてもクレージーだった。緊張したが、それはとても良いものだったし、嬉しい」と感想を語った後、以下のようにある真相を明かした。

「僕はPKキッカーとしての優先順位は3番目だった。ジョルジーニョ、ルカク、その次が僕という順番だが、あの時にピッチ上にいたのは僕だけだった(ジョルジーニョは不出場、ルカクは76分に交代)。チームメイトは僕を信頼してくれた。ハキム(・ジイェフ)らが僕に蹴るように言い、僕はその通りにした」
  しっかり大役を果たしたハベルツは「何と言えばいいか分からない。子どもの頃からの夢が叶い、素晴らしい気分だ。僕をここに連れて来てくれた人たち、家族、ガールフレンドにお礼を言いたい。CL、クラブW杯ともに、彼らに捧げたい」と感謝の意を表した。

 一方、先制点を力強いヘッドで決めたルカク。今季より加入したチェルシーでは現時点でプレミアリーグ5得点と期待に応えているとは言えず、ネガティブな点で話題になることが少なくない状況だが、今大会では準決勝で決勝点を挙げるなど、世界一に大きく貢献。決勝戦の後、自身のSNSで多くの写真を公開するとともに、寄せられた賛辞に「至高だ」と綴っている。

 また、クラブのレジェンドであり、敬愛する偉大な先輩であるディディエ・ドログバにゴール場面の動画とともに「(シュートの瞬間に)目を閉じてしまった」とメッセージを送ると、ドログバからは「君が我々を世界の頂点に導いてさえくれれば、目を閉じたままでもいい」と返されるなどのやりとりも見られた。

構成●THE DIGEST編集部

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