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冨安健洋の獲得を推した指揮官の方針を英紙が改めて評価!右SBのバックアップは屈辱の対戦相手から引き抜き!?

不動の存在になった冨安は今後、さらに評価を高めていきそうだ。(C)Getty Images
 昨夏、移籍市場の最終日にボローニャからアーセナルに移籍した冨安健洋は、すぐにスタメンデビューを飾って高評価を得ると、試合を重ねるごとに安定感と存在感を増し、これまで低迷していた「ガナーズ」の救世主として、今や不可欠な存在としてチームに君臨するまでに至っている。

 ボローニャ在籍時、この日本人選手に最初に注目したのは同じセリエAのアタランタであり、続いて争奪戦に加わったのはプレミアリーグのトッテナムだった。財力で勝るロンドンのクラブがこの勝負に勝つと思われ、後に冨安自身も「トッテナムに行くものとばかり思っていた」と振り返ったほどだが、土壇場でアーセナルが名乗りを上げ、この逸材を獲得することとなった。

 一方、トッテナムはベティスへのレンタル期間を終えてバルセロナに戻ったばかりのエメルソン・ロイヤルを冨安より900万ポンド(約14億円)も上回る2600万ポンド(約41億円)の移籍金で迎え入れることになったが、英国日刊紙『The Guardian』はこの時、アーセナルもこのブラジル代表選手に注目し、獲得間近に迫っていたことを明らかにしている。
  同メディアによれば、アーセナルのテクニカルディレクターであるエドゥは移籍市場の締め切りが迫る頃、エメルソン本人とも連絡を取り合って交渉を進めていたが、これに疑問を抱いたミケル・アルテタ監督が交渉をストップさせ、世界レベルでは無名ではあるものの、実力のある冨安の獲得に舵を切ることを要請したのだという。

 結果は前述の通り、この23歳の日本人はチームに大きな正の影響を及ぼして上位に引き上げる原動力となり、一方でエメルソンは「攻守のタスクを同時に与えられるとパニックを起こしがち」(同メディア)であり、その働きぶりは「アントニオ・コンテ監督が欲するものでも、トッテナムが契約を熱望した際に期待したものでも、そして2600万ポンドに見合うものでもない」ということで、今チームはウォルバーハンプトンのアダマ・トラオレの獲得を目指しているとも報じられている。
  アルテタ監督は冨安だけでなく、CBベン・ホワイト、GKアーロン・ラムズデイルについても移籍金の高さがあったにもかかわらず獲得を猛烈にプッシュするなど、今夏の補強では的確な判断力を示したと、同メディアは評価する。そして、長期的な視野に立った強化という方向性を保ち続けることが重要だと主張した。

 アーセナルは現在、コロナ感染者に加え、怪我人、そしてアフリカネーションズ・カップ出場者によって戦力が不足している状態であり、今冬での補強が必要とされているが、冨安が君臨する右SBについても、彼が欠場した際の代役との実力差があまりに開きすぎていることが明らかになり、有能なバックアップの獲得が急務とされている。
  すでにエインズリー・メイトランド=ナイルズがローマにレンタル移籍し、セドリク・ソアレスにも退団の噂が流れており、このポジションのオプションは冨安の他にカラム・チェンバース(カラバオ杯のリバプール戦では序盤で負傷したセドリクに代わって好パフォーマンスを披露し高評価されたが……)しかいない状況で、アーセナルはノッティンガム・フォレストの21歳、ジェド・スペンスの獲得に向けて前進しているという(フォレストの専門メディア『NOTTINGHAM FOREST NEWS』より)。

 先日のFAカップでアーセナルと対戦し、敵の左SB(ヌーノ・タバレス、キーラン・ティアニー)に「恐ろしい時間を与えた」(同メディア)スペンスは番狂わせに貢献。「トミヤスのまともなバックアップとなるだろう」と同メディアも太鼓判を押した。なお、攻撃力の高い彼にはイタリアのインテル、ローマも関心を示しており、特に後者はジョゼ・モウリーニョ監督がトッテナム指揮時代にも獲得に動いたとのことだ。

構成●THE DIGEST編集部

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