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久保建英のマドリーでの将来はどうなる? 専門メディアは「最良の選択肢は別々の道を行くこと」と悲観

現在はマジョルカでプレーする久保。マドリーで主力選手になる夢を叶えられるだろうか?(C)Getty Images
2019年夏にFC東京からレアル・マドリーに移籍した久保建英だが、すぐにマジョルカにレンタル移籍し、翌年はビジャレアル、ヘタフェ、そして今季は再びマジョルカで怪我などの苦労を味わいながら、武者修行に励んでいる。

久保は常々マドリーで主力となることが最大の目標であると明言し、フロレンティーノ・ペレス会長も20歳の日本人選手の能力はもちろん、アジアのマーケティング開拓の面でも重要な存在であるとも認めている。そのため、今夏こそは「エル・ブランコ」のユニホームを身に纏った久保の姿が見られるかもしれないという期待も少なくない。

しかし、世界最高クラブのひとつでプレーするには、フィジカル面など足りない部分があるとの指摘もあり、マドリー復帰は難しいのではないという見方も多く存在する。クラブの専門メディア『The Real Champs』もそのひとつで、「クボはおそらく、マドリーでは成功しないだろう」という悲観的な見立ての記事を公開している。
「クボは速く、上手い。(マドリーに加入した)18歳の時にはすでに、母国で名を馳せており、次なる大きな一歩を踏み出す準備ができていた。そして彼との契約はマドリーにとって、非常にポジティブなものだったのも事実だ。クボはこのクラブで成功するために必要なものを有する選手だ」と賛辞を贈る同メディアだが、それでもその将来に悲観的にならざるを得ないのは、記事の見出しにあるように「彼自身のせいではない」ということで、ひとえにチーム事情に原因があるのだという。

ヴィニシウス・ジュニオールやロドリゴらと変わらぬ期待を受けて加入した久保だが、彼が最も力を発揮できる右ウイングのポジションには現在、すでに多くのタレントがおり、「日本人選手ためのスペースは残されていない」。今夏にガレス・ベイルがチームを去ると予想されていても、「チーム内の混乱はほとんどおさまらない」と同メディアは分析している。 現在のチームを見ても、久保はマルコ・アセンシオやロドリゴとポジションを懸けて争う必要があり、左に移動するにしてもヴィニシウスやエデン・アザールが待ち受けている。ここに今夏はパリ・サンジェルマンからキリアン・エムバペが加わる可能性もあり、久保にとっては「あまりに競争が多すぎる。ピッチで影響力を発揮するのは困難」だという。

仮に事情によりクラブが今以上のウイングのオプションを必要とするとしても、今度はミランにレンタル中のブラヒム・ディアスらがライバルとして名乗りを上げることになる……。このような状況から同メディアは、久保が現在、レンタル選手としてのキャリアを過ごすことは理に適ったものだとしながらも、一方でいつまでこれを続けるかを考えるべき時期が来ているとも指摘する。

そして、状況がすぐに変わることはないため、「最良の選択肢が、彼とマドリーが別々の道を行くことであるという可能性は高くなっている」と結論付け、「まだ若いものの、そのキャリアを安定させるためには、できるだけ早く将来を決める必要がある。そして全ての兆候は、マドリーから離れた彼の未来を示している」と訴えた。
また、同メディアは別の記事で、マドリーの前線は中央がカリム・ベンゼマ、左がヴィニシウスで固まっているのに対し、右はまだ未確定であると指摘しているが、現在19歳のピーター・フェデリコが猛烈な勢いでアピールしており、他のウイングとは異なるプレーを見せる彼がマドリーのシステムに完全に適していると主張。だとすれば、またひとり久保にとってはハードルが増えるのだ。

とはいえ、今季はまだ前半戦を終えたばかりであり、彼が自らの有用性を示す機会はまだ十分にある。序盤とは打って変わって厳しい状況に陥っているマジョルカを再浮上させる活躍ができるかどうか。それこそが、彼がマドリーでプレーするに値するか否かを判断する絶好の材料となるだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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