「彼に引退の選択肢はない」“キングカズ”の鈴鹿との新契約に海外メディアも驚嘆!「 55本のロウソクを吹き消そうという年に」
1月11日、JFLの鈴鹿ポイントゲッターズは、横浜FCの元日本代表FW三浦知良が期限付きで加入したことを、彼のトレードマークとも言える背番号11にちなんで同日11時11分に発表した。
昨季より兄・泰年が指揮を執りJ3昇格(条件はJFLで4位以内かつJリーグ百年構想クラブの中で2位以内に入ること)を目標としている鈴鹿。昨シーズン、横浜FCでわずか1分間のプレーに終わった「カズ」が、どのような形でチームに貢献を果たすかが注目される。
カズはクラブの公式サイトを通して、「この度、横浜FCより加入することになりました。ここでプレーする機会を与えていただけたことに感謝し、ピッチの上でクラブの勝利に貢献できるよう努力していきます。よろしくお願いします。Boa Sorte(幸運を!)」とメッセージを送っている。
1967年2月26日に静岡で生まれ、82年に静岡学園高を1年で中退してブラジルに渡り、4年後にサントスとプロ契約を交わした先駆者。6つのクラブを渡り歩き、90年に帰国すると読売クラブを経てヴェルディ川崎でJリーグ開幕(93年)を迎え、94年にはジェノアで日本人初のセリエAプレーヤーに。国内では京都パープルサンガ、ヴィッセル神戸、横浜FC、海外では99年にはクロアチアのディナモ・ザグレブ、2005年にはオーストラリアのシドニーFCと、鈴鹿加入の前に14のクラブに在籍してきた。
横浜FCだけで17シーズンを過ごしたというだけでも驚きだが、ロベルト・バッジョ、マティアス・ザマー、ユルゲン・クロップ、マッシミリアーノ・アッレグリらと同い年で、またプロデビューの1986年に生まれたのが本田圭佑、岡崎慎司、長友佑都、セルヒオ・ラモス、マヌエル・ノイアー、ジェームズ・ミルナー、ヴァンサン・コンパニ(2020年引退)らということからも、どれほど長い時間が経過しているかが窺い知れる。
海外メディアも、この現役最年長選手に対しては驚きを隠さず、英国の『SPORT BIBLE』は、そのキャリアの長さを示すために、「ライオネル・リッチーがヒットチャートで1位になった年にキャリアをスタートさせたカズは、パリ・サンジェルマンよりも“3歳年上”で、クロップと同年齢」と記述した。
また「日本代表でも89試合に出場して55ゴールを挙げた、少年たちの憧れの的だった選手」のデビューイヤーを「ディエゴ・マラドーナがメキシコ(ワールドカップ)で『神の手ゴール』『5人抜きゴール』を決めた年。そしてガリー・リネカーがW杯得点王を獲得した年」とも紹介している。
一方、フランスの『Le Parisien』は「彼に引退の選択肢はない。サッカー選手の大多数は30代前半にキャリアを終えるものだが、54歳のミウラはスパイクを脱ぐことを全く考えず、日本の4部リーグのクラブと新たな契約を結んだ。彼は昨季、1分間しかプレーしていないが、兄が率いるチームで『勝つためにプレーする』ことを約束した。『キングカズ』の目標は60歳までプレーすることだ」と伝えた。
また、イタリアの『Il Messaggero』は、元ジェノアの選手の偉業を「ミウラの寓話は“終わり”という言葉を知らない。間もなく、55本のロウソクを吹き消そうとしている元日本代表のストライカーは、実は4部リーグの闘志溢れるチームと契約を交わしたばかりである。アジアのスポーツ界で最も偉大なアイドルのひとりはサッカーの世界での冒険を続け、37シーズン目にこれまで以上の熱意を注ぎ、その果てしないキャリアにおいて15枚目(日本代表を除く)のジャージを着用する準備をしている」と綴っている。
構成●THE DIGEST編集部
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