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「チーム同様に徐々に衰退」グラナダ戦の久保建英の評価は前後半で大きく変化。得点に繋がるパスには「マジシャン」の賛辞

正確なロングパスで得点チャンスを演出した久保だが、勝利には貢献できなかった。(C)Getty Images
現地時間12月19日、ラ・リーガ第18節が行なわれ、マジョルカはグラナダに1-4の敗戦。リーガでは4試合ぶりの黒星となった。

降格圏に近い順位のチーム同士の対決で、ともに勝利が欲しかった一戦、ホームのグラナダが39歳の大ベテランFW、ホルヘ・モリーナが大爆発。20分にカウンターからフリーで右足を振り抜いて先制すると、61分には味方のシュートの当たり損ねを素早くコントロールして2点目、さらに後半アディショナルタイムにカットインからニアを撃ち抜き、ハットトリックを達成した。グラナダはその後、アントニオ・プエルタスがダメ押し弾を決め、リーグ4戦無敗(2勝2分け)を達成した。

終了間際に一気に引き離されて勝点を獲り損なったマジョルカ。得点はハウメ・コスタの左からのクロスをダニ・ロドリゲスが頭で合わせた24分の1点のみに止まったが、この同点劇において、右サイドから正確なロングパスをJ・コスタに通したのが、リーガでは右膝を負傷した6節レアル・マドリー戦以来となる、約3か月ぶりの先発出場を果たした久保建英だった。

2列目の右サイドとしてプレーした20歳は、復帰後初のフル出場の中で幾つかチャンスを作り出した他、自らも3本のシュートを放つなど、効果的なプレーは見ることができた。ルイス・ガルシア・プラサ監督も、イ・ガンインと併せて「2人とも体躯が小さいだけに、我々はフィジカル面で多くのものを失うことになるが、逆に彼らは別のものをもたらしてくれる」とその起用の難しさを明かす一方で、「クボは良かった」とグラナダ戦でのプレーについてはポジティブに評価している。
マジョルカの公式サイトは「クボはマジシャンに変貌して良いサイドチェンジを披露」と得点に繋がったロングパスを称賛したが、現地メディアではマドリードのスポーツ紙『MARCA』も「残忍なゲームチェンジ」と表現。同じく『AS』紙も「クボは小さなリサイタルを開催。彼の足からマジョルカの同点劇は生まれた。(逆サイドの)J・コスタを見つけ、試合の流れを変えた」、そして日刊紙『El Pais』は「非常にクオリティーの高いサイドチェンジ」と、それぞれがポジティブに報じた。

このように光るプレーを披露した久保だが、試合を通しては『MARCA』が「同点の場面ではクオリティーが高かったものの、彼のチーム同様、徐々に衰退していった」と評し、マジョルカの地元メディア『ok baleares』は「十分な状態から不足へ。前半ではエクセレントなプレーを見せた日本人選手だったが、時間の経過とともに、それは薄れていった」も、徐々に尻すぼみになっていったことを示している。

それでも、『AS』紙の3点満点での採点では、得点を挙げたD・ロドリゲス、ルイス・デ・ガラレタと並ぶチーム最高タイの「2」を与えられるなど、奮闘したと言える久保。年内最終戦を勝利で飾ることはできなかったが、古巣であるバルセロナとの対戦(1月2日)で幕を開ける2022年は、より周囲との連係を高め、結果に直接繋がるプレーを多く披露してくれることに期待したい。

構成●THE DIGEST編集部

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