チャンス到来の兆し! 南野拓実と“偽9番”抜擢の同僚と比較に地元メディアは「ミナミノの方が優れている」と分析
現地時間12月11日に行なわれたプレミアリーグ第16節で、リバプールはアストン・ビラを1-0で撃破。国内リーグでは5連勝、公式戦で7連勝を飾った。
本拠地アンフィールドに、レジェンドであるスティーブン・ジェラードが敵将として到来した一戦、5連敗の後の4試合で3勝1敗と持ち直した感のあるアウェーチームに対し、レッズ(リバプールの愛称)は、猛攻を仕掛けてゴールに迫る。
だがが、相手GKエミリアーノ・マルティネスの好守もあってゴールを奪えないまま後半に入り、64分になってモハメド・サラーがペナルティーエリア右側に侵入したところでタイロン・ミングスに倒されてPK獲得。これをサラー自身が決め、この試合唯一のゴールをホームチームにもたらした。
先制後は相手の攻勢を許すなど、薄氷の勝利となったアストン・ビラ戦。注目を集めた南野拓実に出番が訪れたのは、試合終了間際の88分だった。サディオ・マネとの交代で前線に入ると、アディショナルタイムと合わせて約7分間、全力で走り回りながら、相手に対して厳しいプレッシングを仕掛け、攻撃では追加点を奪おうと積極的な姿勢を示した。
わずかなプレー時間と数度のボールタッチでは、当然ながら現地メディアの言及は非常に少ない。採点はスポーツベッティングサイト『Ace Football』が10点満点で「5」を与えたほか、英国公共放送『BBC』の視聴者投票による採点の「6.80」(意外にもチーム5番目という高い評価)ぐらいである。
また、寸評では、日頃からユーモアや皮肉まじりの言い回しでお馴染みであるリバプールの地元紙『Liverpool Echo』が「Minutes.(数分間)」と評せば、リバプールの専門メディア『THIS IS ANFIELD』は「試合を見届けた」と短く記述。さらに『ANFIELD HOME』は「ミナミノは数分を潰すために、マネに代わってピッチに立った。彼については、これ以上に言えることは何もない」と記したが、これが正直なところだろう。
この試合では、中盤を本職とするアレックス・チェンバレンを「偽9番」として先発に抜擢したユルゲン・クロップの采配が話題になったが、『Liverpool Echo』は、「1月になってサラーとマネがアフリカネーションズ・カップで離脱することを考えれば、ここで無理をする必要はない」と、決定は妥当なものだと言及。先週2試合連続でゴールを挙げたディボック・オリギは膝の負傷で欠場、そして南野については「次の選択肢かと思われたが、そうではなかった」と論じた。
チェンバレンの「偽9番」としての起用は攻守で機能するとして、クラブの練習場では以前から秘策として考えられていたものだと同メディアは紹介しているが、専門メディア『TRIBUNA』は「チェンバレンの偽9番というユルゲン・クロップ監督の決定は、おそらく最善ではなかった。ミナミノのプレッシングの方がはるかに優れていたため、彼にチャンスを与える必要がある」と主張している。
リバプールは今月中にまだ5試合を控えており、FW陣にもローテーションが採用されるのは間違いないだろう。17日に19位に沈むニューカッスルをホームに迎える次戦は、南野にとってはこれも先発出場のチャンスとなるだろう。
今冬での放出の可能性を示唆するメディアもあるようだが、クラブにとっての正念場とも言えるこの時期に、改めてその有用性を内外に示すことが、26歳の日本人には期待される。
構成●THE DIGEST編集部
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