• HOME
  • 記事
  • サッカー
  • 【サッカー】幸野志有人 SHOOT KOHNO Vol.2「専門知識ゼロから始めたアパレルブランド」

【サッカー】幸野志有人 SHOOT KOHNO Vol.2「専門知識ゼロから始めたアパレルブランド」

コアなファンをどれだけつくれるか

——自分自身のブランディングについてはどう考えていますか?

ブランディングというのは大事だと思うんですけど、そこをあまり意識し過ぎると本質を見失うなと思っているんですよね。本当はやりたいことがあるのに、自分のブランドとしての見られ方とちょっと違うからと躊躇してしまうと、やることの軸がなくなってどこに行きたいのか分からなくなると思うんですよね。

——それは実際にCLUB SARCASMでも意識していることですか?

例えば自分のアパレルでどうしてもやりたいデザインがあったとしますよね。でもそのデザインはサッカー選手としての自分としては周りからどう見られるんだろうということを考えたとします。 そこで本来サッカー選手としてあるべき姿としての見られ方と違うからそのデザインは諦めてしまうとなると、結局自分がやりたいこととか伝えたいことが表現できなくなっていくんですよね。それは違うなと思うんです。もちろん、ときには意識することも大事ですよ。そういうバランス感覚は必要だと思います。

——SNSの運用でもそういうバランス感覚は大事にしていますか?

例えば10000人のフォロワーがいても結局そこまでエンゲージメントが高くない人たちがいるだけだったら正直意味はないと思うんですよ。何となく知っているからとか、名前は知っているからとか、そういう理由でフォローしている人たちは本当の意味でのコアな人たちではないですよね。

——コア層を増やすためには何が必要だと思います?

コアな人たちを増やすためには、賛否両論あった方がいいと思っていて、どっちにも好かれるようになっていてもコアな人は増えないと思います。自分が良いと思ったこと、正しいと思ったことは発信していくし、そこに対して批判する人もいれば称賛してくれる人もいますよね。そういうはビジネスを意識しているわけではないですけど、結局そういう人たちはビジネス的にも応援してくれる人になっていくと思うんですよね。だから多くに向けるよりもコアな人に向けていったほうがいいと思うし、そうやってコアなファンになってくれた人たちを大事にしていけばいいので結果的に楽だと思いますね。

——CLUB SARCASMでもそういう意識はあります?

ファンの方々はもちろん大事なんですけど、洋服が好きで、そこで勝負している以上ファッション層の人たちに認められたいという思いも強くあります。今までサッカー選手がブランドをやるというのは結構あったと思います。どちらかというとカジュアルテイストなブランドが多かったと思いますが、僕は自分が好きなストリートの要素と皮肉やメッセージを込めたデザインで意識しています。 ただ僕が知る中で、今までサッカーに深く関わった人たちの中でブランドとして高みまで行けたのは「WACKO MARIA(ワコマリア)」だと思います。あの領域にいけたのはすごいなと思いますね。そういうこれまでのサッカー選手がなかなかいっていない領域に僕も挑戦したいと思っています。

——それも自分が良いと思うものを発信しているということですよね。

そうですね。それも自分を発信するためのツールの一つだと思っているし、嫌になったらいつでも辞めるし。やりたかったら気が済むまでやるというスタンスはサッカーも含めて何事も同じですよね。ブランディングに関しては意識し過ぎることで表面的には成功できても最終的には損をすると思うんです。だから僕はそこまでブランディングを意識せずにやりたいと思ったことは全部やろうと思っています。

Vol.1「サッカー選手を続けるために、サッカー以外で稼ぐ」
(ハイパーリンクURL)
https://ssn.supersports.com/ja-jp/articles/5fae54a53c2e44612b727603

Vol.3「サッカー選手としての失敗から学んだこと」
(ハイパーリンクURL)
https://ssn.supersports.com/ja-jp/articles/5fae54ba1ce93b77d4362832

■プロフィール

幸野志有人(こうの・しゅうと)

1993年5月4日生まれ、東京都江戸川区出身。各年代の日本代表に選ばれ、JFAアカデミーの1期生となる。2009年のU-17ワールドカップには唯一の高校1年生として出場した。16歳でFC東京とプロ契約。その後、複数のJクラブを渡り歩く。2020年、オーストラリアのシドニーオリンピックFCに移籍するも、開幕前の大怪我によって退団。復帰を目指してリハビリをしながら、アパレルブランド「CLUB SARCASM」を立ち上げるなど、サッカー以外にも精力的に活動している。

https://www.instagram.com/shoot_kohno/
https://www.instagram.com/clubsarcasm_1993/

■クレジット

取材・構成:Smart Sports News 編集部

関連記事