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久保建英,サッカー

日本の“新エース”三笘薫、久保建英が急上昇 世界トップは200億超え、市場価値の仕組みを解説(サッカー選手年俸ランキング)

写真:久保建英(提供:ムツ・カワモリ/アフロ)

欧州のサッカーシーンは終盤に差し掛かり、各国リーグやカップ戦での優勝争いが佳境を迎えている。夏にかけて“風物詩”として話題を集めるのが移籍市場で、スター選手の高額移籍や将来有望な若手を巡ってのメガクラブの動向からは目が離せない。そんななか、サッカー界において選手の価値を表す指標となるのが“市場価値”で、大金が動く移籍マーケットにおいては重要な要素を占める。今回はサッカー界における市場価値について算出方法を解説し、世界のビッグネームや日本人プレイヤーの現状についても言及していきたい。(文・井本佳孝)

市場価格がデータ化された“バイブル”

三笘薫,サッカー
写真:三苫薫(提供:REX/アフロ)

市場価格は選手一人ひとりに付けられる価値を数値化したもので、クラブとの契約が満了した際に値がゼロになる移籍金とは異なり全ての選手に設定される。将来性、所属クラブや代表でのパフォーマンス、所属リーグやクラブのレベル、マーケティング価値などさまざまな要素が加味されてつけられる。現在の能力だけではなく将来的に商品価値が上昇するかも重要になってくるため、若手の有望選手がベテラン選手に比べると値段が高くつく傾向がある。

各選手の市場価格がデータベース化されており、“移籍情報のバイブル”として用いられるのがドイツのウェブサイト『Transfermarkt(トランスファー・マルクト)』。2000年5月にブレーメン出身のマティアス・ザイデルによって設立され、2008年に出版社であるアクセルシュプリンガーが運営を引き継いで今に至る。ドイツ語だけでなく、英語、オランダ語、イタリア語、スペイン語などさまざまな言語に対応しており、日本語もそのなかに含まれる。

『Transfermarkt』では各クラブや選手のページが設けられており、個人ページではプロフィールや大会ごとの出場歴やゴール、アシストなどのスタッツ、主要ポジションなどさまざまなデータを参照することができる。そのなかでも“市場価値”は選手の現在の指標を表したもので、選手の活躍やキャリアに応じて数カ月に一度アップデートが行われる。最新の選手の商品価値を確認することができるため、世界中のフットボールメディアがこの数字を元にしたニュースを掲載することが移籍時期の恒例となっている。

サッカー選手年俸ランキング

※独Transfermarktより

日本選手ランキング

1位 鎌田大地(フランクフルト)3000万ユーロ(約43億円)
2位 冨安健洋(アーセナル)2500万ユーロ(約36億円)
3位 三笘薫(ブライトン)2200万ユーロ(約32億円)
4位 堂安律(フライブルク)1500万ユーロ(約22億円)
4位 久保建英(レアル・ソシエダ) 1500万ユーロ(約22億円)
6位板倉滉(ボルシアMG) 1200万ユーロ(約17億円)

海外選手ランキング

1位キリアン・ムバッペ(パリ・サンジェルマン) 1億8000万ユーロ(約261億円)
2位アーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)1億7000万ユーロ(247億円)

日本人選手でトップに立つ司令塔

キリアン・ムバッペ,サッカー
写真:キリアン・ムバッペ、Kylian Mbappe(提供:AP/アフロ)

現在の市場価値ランキングを見ると、世界トップに立つのがパリ・サンジェルマンのフランス代表FWキリアン・ムバッペ。昨年のカタール・ワールドカップでは得点王に輝いた24歳のスピードスターが、1億8000万ユーロ(約261億円)で首位に君臨する。続く2位にはマンチェスター・シティのノルウェー代表FWアーリング・ハーランドが1億7000万ユーロ(247億円)でランクイン。22歳の怪物ストライカーがムバッペと双璧をなしており、3位以下を5000万ユーロ以上引き離す。新世代を背負う2人が高い商品価値を持っていることが分かる。

鎌田大地,サッカー
写真:鎌田大地(提供:なかしまだいすけ/アフロ)

日本人選手のなかでトップに立つのがフランクフルトの鎌田大地で3000万ユーロ(約43億円)。昨季はフランクフルトのヨーロッパ・リーグ制覇に貢献し、今季はボランチで新境地を開拓。自身初出場のチャンピオンズ・リーグでは3試合連続ゴールを記録し、リーグ戦でもゴールを量産するなど価値を高めた。なお、鎌田は今夏でクラブとの契約が切れるため、フリーで移籍が可能。同じドイツのドルトムントやスペインのアトレティコ・マドリードなどからの関心が伝えられている。

冨安健洋,サッカー
写真:冨安健洋(提供:アフロ)

2位にランクインしたのがアーセナルの冨安健洋で評価額は2500万ユーロ(約36億円)。アビスパ福岡から2018年にベルギーのシント・トロイデンに加入して以来経験値を高めてきた守備の要は、2019年からイタリアのボローニャで2シーズン研鑽を積み、2021年にイングランドの名門に加わった。1200万ユーロ(約17億円)で6位につけるボルシアMGの板倉滉とともに最終ラインのリーダーとして期待がかかる冨安がこの数字をどこまで伸ばしていけるかも、日本の世界における距離を計る上では一つの指標となる。

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