田尻稲雄,ラグビー

ラグビー観戦のポイント 専門家が解説

来年のラグビーワールドカップに向け、競技の魅力を語ってくれた北海道ラグビーフットボール協会の田尻稲雄会長。今回は、北海道”ラグビーの日”のメインイベントとなる早稲田大学対明治大学の試合を前に、ラグビーの試合の観戦のポイントを聞いた。(取材・文/二株麻依)

ラグビーの試合の注目すべきポイントは

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――試合のどういうところに注目したら面白いでしょうか。

田尻稲雄(以下、田尻):まずスクラムですよね。今回の早稲田と明治だと、明治がスクラム強くなってきていますから注目です。スクラムを組んで、ずっとお互い限界ギリギリの力で押し合っていて、ボールが入った途端に、どっちが勝つか。そこを見極めるのがすごくおもしろいんじゃないかと思いますね。

――スクラム、すごく力が要りそうですよね。

田尻:骨がギシギシ言いますよ。特に「フロントロー」と呼ばれる最前列の選手は、前から対戦相手が押してきますし、後ろからは仲間が押してくるじゃないですか。その間に挟まると骨がギシギシいいますよ。生身でやってみないと分からない部分ではあるんですけど、見るだけでもそのすごさは感じていただけると思います。

――ポジションごとに体張っていますよね。

田尻:そこも魅力で。体の大きいフォワードは最前線でギシギシできるし、僕らみたいな華奢な人間はバックスでボール持って速く走ればいい。いろんな体格の人がいろんな役割でプレーしているのも見どころかと。今はキックを多用するから、ボールを落とすポイントに追いかけていく人とディフェンスする人のせめぎ合いみたいのが見られるのも面白いと思います。

――ラグビーの試合は他の競技にない迫力がありますね。

田尻:他の競技と比べて、スピード感が全然違うと思うんですよね。陸上競技で100メートル走るようなスピードで、ボールを追いかけて走るわけですから。サッカーともちょっと違うかな。ボールを蹴るのと持って走るのとでまた違うスピード感なので、その違いも見ていて面白いかなと思います。

観客席の選び方は

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――試合を観戦するのに、どういう席がおすすめですか。

田尻:これはね、それぞれ好みなんです。多くの人は真ん中が良いと思いますけども、ゴールの裏の一番安い席が一番良いっていう人もいるんですよ。ゴールの裏の高いところから見ると、攻めてくる縦の線の流れが分かるから。あと、全体を見たいという人はスタンドの上の方を好みますし、目の前で迫力を感じたいという人は下の方が好き。それぞれですよ。

――初心者は、ひとまず応援しているチーム側で見たらいいのでしょうか。

田尻:ラグビーの観客席は、敵味方の区別がないんですよ。選手たちも試合が終わったら「ノーサイド」。敵味方なくなっちゃうじゃないですか。だから、隣に敵チームを応援する人が居てもいいんです。今回の早明戦だったら、早稲田側の人も明治側の人も一緒に並んで見ます。ラグビーはそういうスポーツなので。(続く)

>>特集連載:北海道ラグビーフットボール協会 田尻稲雄会長「ラグビー、北の大地で再燃」

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