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京の職人技をあなたのキャンプに。“しっとりおいしい”が続く「蕎麦猪口タンブラー」【hinataオリジナルギア】

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キャンプの相棒にしたい新感覚タンブラー

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伝統×革新でキャンプが変わる!hinataオリジナル「蕎麦猪口タンブラー」

新たなギアを探したり選んだりするのも、キャンプの楽しみの一つです。とはいえ、意外とアップデートされていないのがタンブラーではないでしょうか。気づけばキャンプをはじめたころと同じものを使い続けているかも…なんていう人も多いはず。

4カラー(左からグレー、パープル、グリーン、コヨーテ)をラインナップ

そこで、hinataオリジナルキャンプギアの第6弾として、hinataストアで販売開始したのが「蕎麦猪口タンブラー」。

真空魔法びん構造を生かした製品で注目されるブランド「COCOO(こくう)」と、京都の名門・漆のスペシャリスト「佐藤喜代松商店」の技を詰め込み、hinataがキャンプライクにアレンジしました。ルックスもスペックもほかのタンブラーと一線を画す仕上がりを満喫してみてはいかがでしょうか。

蕎麦猪口とはその名の通り、江戸時代から使われてきた蕎麦を蕎麦つゆにつけるための容器のこと。ほど良いサイズのカップ型なので、蕎麦つゆだけでなく、お酒を注いだりおかずを盛り付けたりと、さまざまな用途で使われてきました。

そんな雑器とも呼ばれる万能選手なら、キャンプギアとしても有用なのでは?という観点からうまれたのが、今回のhinataオリジナルキャンプギア。日本の食卓で歴史を刻んできた「蕎麦猪口」らしく、古くから紡がれてきた「漆」を表面に施しました。

佐藤喜代松商店にある工房でのひとこま。専門の職人によって一つひとつていねいに漆塗りが施される

伝統的な漆塗り製品ならではの、高い「抗菌性能」や飲料や食材を問わない「耐薬品性」を備えつつ、近代技術「真空魔法びん構造」を採用することで、優秀な保温・保冷性能も獲得しました。

冷たいドリンクを入れて結露しないのはもちろん、熱々のコーヒーを注いでも表面が熱くなりません。寒い日や暑い日のキャンプでも、飲み物をおいしく快適に楽しめるのです。

ここでしか買えない「蕎麦猪口タンブラー」

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漆塗り×真空魔法びんで誘う「心地よさ」

COCOOが手がける「真空魔法びん構造」という近代技術を用いた漆器と、1921年(大正10年)に創業した漆のスペシャリスト・佐藤喜代松商店の技術が共演

ここからは、hinataオリジナルギア「蕎麦猪口タンブラー」を手がける、COCOOの代表・北山さんと佐藤喜代松商店の代表・佐藤さんに、開発秘話や製品へのこだわり、キャンパーへの想いを伺っていきましょう。

伝統と革新が手を組むその理由とは。私たちが手にしたときの喜びとは。両者の内側を覗き見ることで、私たちが手にするべき理由をたしかめられるはずです。

左:COCOO 代表 北山浩さん、右:佐藤喜代松商店 代表 佐藤貴彦さん

同製品の開発は、大手魔法びんメーカーで商品企画から開発まで関わっていた魔法びんのスペシャリスト・COCOOの北山さんが、佐藤喜代松商店の4代目・佐藤さんの漆への知識と経験に惚れ込んだところからスタートしたそうです。まずは、そのなれそめからお話を伺っていきます。

COCOO代表・北山さん(以下「北山さん」):長く魔法びんに携わっていたこともあり、電気にもガスにも頼らずに保温・保冷できる「真空魔法びん構造」という技術を、もっと世に広めていきたいという想いがあったんです。

ただ、魔法びんに使われるステンレスという素材は、どうしても金属臭が気になってしまうんですよ。それを解消するための特別なコーティングを探していたところ、漆に出会ったというわけです。

「漆に関する論文を読み漁っていたときに、佐藤喜代松商店・佐藤さんのことを知った」という北山さん

そこでステンレスに漆を塗ってくれるところを探したものの、「金属に塗っても剥がれてしまう」など、なかなか取り合ってくれる職人さんはいなかったそうです。

北山さん:漆についていろいろな論文を読んでいるうちに、アカデミックなアプローチをしている漆のスペシャリストがいることを知りました。技術研究をしながら、工業製品からアート作品にまで漆を塗っている人がいると。それが佐藤喜代松商店さんだったんです。

佐藤喜代松商店 代表・佐藤さん(以下「佐藤さん」):基礎から応用まで、漆をどう生かすか、科学的視点で研究をしていました。京都市産業技術研究所と共同研究をして自動車に漆を塗ったこともありますよ。時代やニーズに合わせて柔軟に変化できるのも弊社の強みでして。

北山さん:それで佐藤喜代松商店さんの門を叩いて。こういうトライをしたいとお願いしたんです。

佐藤さん:おもしろそうですし、やってみたいと二つ返事でOKしました。ステンレス製の真空構造のものに漆を塗るのは初めてだったんですが、話を聞いているうちにできそうだなと。

「いろいろな要望に応じて、常に変化しながら新しいものを生み出すというのが私たちのビジョンです」

漆の製品は高級で貴重な印象がありますが、それを日用品として使える、身近なものにしたかったという北山さん。

北山さん:手塗りの温かみやクラフト感を残しながらも、アウトドアで使うなら堅牢さも確保したいと考えました。さらに日用品として食洗機で洗えるプロダクトにしたいと。デリケートなイメージのある一般的な漆製品とはだいぶかけ離れたお願いをしたんです。

佐藤さん:そこで、乾かす時間も短縮できて、剥がれにくく、食洗機の熱にも耐える「焼き付け」という方法を選びました。漆の技法は山ほどあるんです。今回もこれまでの技術を使うわけですが、それらを組み合わせていかに新しいものをつくるかというのは、最も考えさせられる部分であり、エキサイティングで楽しい部分でもありますね。

北山さん:佐藤さんも苦労するのではと思っていたら、すぐに完成度の高いサンプルが上がってきたので驚きました(笑)。

「蕎麦猪口タンブラー」の断面を見ると、内側と外側の間に空間が。この真空空間が熱伝導と空気の対流を防ぎ、中身を保冷・保温してくれます

さて、佐藤喜代松商店による漆の技術と同じくらい知りたいのが、COCOOが誇る「真空魔法びん構造」です。どのような仕組みでどのような利点があるのでしょうか。

北山さん:「真空魔法びん構造」は容器の内側と外側の間に真空の空間をつくることで、熱伝導と空気の対流をシャットアウトすることを目指した技術です。

これによって、冷たいものは冷たいまま、温かいものは温かいままと、中身のおいしさを持続させてくれるんです。気温の影響を受けやすいアウトドアシーンにはうってつけですよね。

佐藤さん:私たちは伝統的な木の素材が最もいいと考えていたんですけど、この薄さでこの保温性には勝てないかもと。私自身も「蕎麦猪口タンブラー」を使っていますが、今では木よりもこちらの方がいいです(笑)。

スタッキングできるのもキャンプギアとしてうれしいところ

タンブラーを「蕎麦猪口」というスタイルにしたことにも、北山さんは強いこだわりを反映させた部分だそうです。

北山さん:「誰々が発明した」というわけでなく、江戸時代の人が安定性や使いやすさを追求していたら、自然に「蕎麦猪口」という形に行き着いたらしいんです。

その成り立ちにすごくリスペクトがありまして。「蕎麦猪口タンブラー」を開発する際にも、江戸時代の「蕎麦猪口」をいくつも手に持ちました。両手でも片手でも、また女性でも男性でもなじむサイズを研究したんです。飲み口の径についても、たくさん議論したんですよ。

あとは薄さですね。通常の魔法びんだと少し厚ぼったくなるのですが、そこを陶磁器と同じような薄さにすることで飲みやすさも格段に良くなりました。こうすることで、漆ならではのしっとりした口当たりも、より生かすことができました。

漆を塗って地之粉を振り、焼き付ける作業を、内側・外側にそれぞれ3回繰り返します

つくり手自身が何度も使用してみることで、「蕎麦猪口タンブラー」はブラッシュアップされ、完成に至りました。このギアをアウトドアで使う魅力について、お二人はこう話します。

佐藤さん:私は大学時代にワンダーフォーゲル部に所属していたこともあって、山が大好きなんですよ。当時は山に木の漆器のコップとお椀を携行していました。ただバッグの中で割れたら困るので、肩にくくりつけるようにしたり、持ち運び方を工夫していましたね。

でも、この「蕎麦猪口タンブラー」なら割れないですから。あとはできるだけ荷物を軽くしたいと考えると、この軽さもいいんですよね。学生時代にこれがあったら、必ず持っていったと思います。

荒めの地之粉を使い、仕上げの表面にシボ感を演出します

北山さん:ちなみに、滑りにくいように、また傷も気にならないように、表面にシボ(細かい模様)をつけているんです。そんなふうに、キャンプでの使われ方や持ち姿なども想像しながら、細かく調整してつくったことが伝わればいいなと思います。

佐藤:アウトドアシーンでの使用方法は、話をもらったときから想像できましたよ。夏なら冷たい水で喉を潤したり、冬山のテントの中で温かいまま飲み物が飲んでもらえるかな、など。

最後はhinataロゴを押した底面に、北山さんが手彫りでシリアルナンバーを

北山さん:あと、漆の魅力は修理できることにもあると思います。金継ぎも漆を使うんですが、これも表面がちょっとすれてきたとか、かけちゃったとかでも、漆で修復してずっと使い続けられるんです。

アウトドアらしくタフに使っていただいて、傷だらけになったところも見てみたいですよね。エイジングして味が出てきたらどんなふうになるのか。

佐藤さん:たしかに、ボロボロになるまで使い込んでくれたら、つくり手としても本望ですね。

職人技がキャンプをもっと豊かに!

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