
◆◆部活動の未来
日本の中学校や高校の部活動が縮小・廃止の方向へ動いている。
大きな理由は少子化だ。地域によっては学年全体で1クラス分しか生徒がいないような学校もあり、チームスポーツが成立しなくなっている。都市部でも部員の少ない学校同士が組んだ「合同チーム」で、大会に参加するケースも増えてきた。
理由のもう一つは、部活動の面倒をみる教員の働き方改革。「放課後も朝練も休日も」といった具合で、長年部活動は教員の過重労働に支えられてきたわけだが、誰もが好きで顧問や指導をやっているわけではない。ここにきて「部活動の面倒をみたくない」という教員たちの声が大きいのは、報道でも広く知られているところだ。
そこで最近話題になっているのが、「部活動の地域移行」。地域のスポーツクラブやNPO、民間指導者などと連携し、部活動を外部化する施策だが、これも課題は多い。都市部では民間のスポーツクラブが多いが、地方ではそもそも指導の代替となる団体が存在しないところもある。また、金銭面からも指導の成り手が少ないという事情もあるようだが、かといってこれまで基本的にはわずかな費用で行われてきた部活動だけに、ここから先の費用負担は壁となってしまう懸念がある。
「子どもがスポーツを行う環境」という観点から見れば、部活動はこれまで大きな役割を果たしてきた。それだけに縮小・廃止の傾向は日本のスポーツの明らかな衰退につながるだろう。
地域のスポーツクラブで行われているケースも多い、野球、サッカー、水泳、テニスなどならまだしも、中学の部活動からスタートするスポーツも多く、そうした種目はプレーヤーがどんどん少なくなる心配がある。それだけに子どもがスポーツを行う環境づくりは、スポーツ界全体が解決しなければいけない課題なのだ。
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