最高の一瞬『飛込の美しさ』飛込 玉井陸斗選手

 

飛込の玉井陸斗選手のパリオリンピックでの写真です。これは準決勝で撮影したものなんですけど、背景が黒く落ちているところがあって、このように体から水しぶきが飛んでいる写真を撮ることができました。

 

あと男子選手の場合はこの筋肉ですね。背景を黒くすることでよりコントラストが出るというか。ツマ先をきれいに伸ばし、頭の先から足の先まで本当に細心の注意を払いつつ、回転して入水する。そこの美しさも出ている1枚かなと思います。

 

玉井選手はこの大会で、飛込競技では男女通じて日本人初のメダル(銀)を獲得したわけですが、まだ17歳なのにすごく落ち着きがあり、あまり緊張している感じがなかったんですよね。

 

「自分のやるべきことをやればメダルに届くんじゃないか」というのが顔に表れているというか。こちらにもそれがひしひしと伝わってきて、撮っていて楽しかった。

 

中国勢の壁というのはあるんですが、今回は金メダルに近いような銀メダルでした。その意味ではパリで終わらず、次のロサンゼルス五輪、またその次へと続くんじゃないかという期待があります。

 

▼岸本勉(きしもと・つとむ)

1969年生まれ、東京都出身。
10年余りスタッフフォトグラファーとして、さまざまな国内外のスポーツイベントを撮影。2003年に独立、「PICSPORT(ピクスポルト)」を設立。良くも悪くも人の記憶に残る写真を撮ることを心がけている。オリンピックは夏季冬季合わせて15大会、FIFAワールドカップは7大会、ほか国内外問わず多くのスポーツイベントを取材。2015年FINA世界水泳選手権カザン大会より、オフィシャルFINAフォトグラファーを担当。国際スポーツプレス協会会員(A.I.P.S.)/日本スポーツプレス協会会員(A.J.P.S.)
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