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老舗の和菓子屋が、ラグビーチームと組む理由。ファンと刻む、新たな歴史。

1805年に創業した、老舗和菓子屋である株式会社船橋屋。同社は、2022年に開幕した新リーグ・NTTジャパンラグビーリーグワンに所属していたNTTコミュニケーションズ シャイニングアークス東京ベイ浦安と、『スポーツ共創パートナーシップ』を締結しています。

(※2022年6月30日いっぱいで体制変更のためNTTコミュニケーションズ シャイニングアークス東京ベイ浦安は活動を終了し、7月より新チームを立ち上げる予定です。本原稿では『シャイニングアークス』の名で展開いたします)

船橋屋の看板商品であるくず餅は、亀戸天神のお土産として長く愛されています。そして近年は、健康提案企業として、くず餅の新たな魅力を発信。従来の形にとらわれない新商品の開発や、積極的なSNS配信など、時代に合わせた取り組みを展開しています。

シャイニングアークスの本拠地は千葉県浦安市ですが、NTTジャパンラグビーリーグワン2022開幕に合わせ、ホストスタジアムを東京都江東区・夢の島競技場に設定。共に、江東区エリアの地域活性化を目指し、取り組みを始めました。

そんな両社は22年2月から4月にかけて、知見や課題を共有し、パートナーシップの方向性を確認する計4回のワークショップを実施しました。ラグビーと和菓子という、まったく異なる商材を扱う両社。幅広い部署からアイデアを持ち寄り、新たな共創の可能性を探ることが狙いです。
ワークショップについての記事はこちら

和菓子とラグビーで創り上げる新たな価値とは。シャイニングアークスとの取り組みに至った経緯や、船橋屋が目指す未来について、広報の月岡紋萌(つきおか・あやめ)さんに伺いました。

老舗でも、挑戦する姿勢は忘れない

−老舗和菓子屋である船橋屋とラグビーの組み合わせは、意外に感じる部分もありました。次々と新しいことに取り組んでいる印象がありますが、どのような社風なのでしょうか?

月岡:挑戦を大切にしています。そんな会社を作り上げているのが社長の渡辺(雅司)です。渡辺は先見の明があって、改革を通してくず餅の可能性を広げています。もともと亀戸天神の定番のお土産屋さんだった船橋屋を、健康提案企業に発展させたんです。

くず餅に独自の乳酸菌を発見したことがきっかけで、”飲むくず餅乳酸菌”という商品が誕生しました。販売されると品薄になるほどの人気商品になりました。

時代に合わせて、会社の組織体制もどんどん良くなっています。新卒採用にも力を入れています。会社の中で新卒社員が成長し、ブランドの理解もより深まる。年齢に関係なく、意欲がある人が活躍できる環境です。

—広報には、どのような役割が求められていますか?

月岡:一つは、メディアリレーション。テレビや新聞やWEBメディアに取り上げてもらって、認知してもらうのが主な仕事です。あとはSNSでの発信です。一方的ではなく双方向のコミュニケーションになるように意識しています。

情報社会となった現代は、一方的に情報を載せてもなかなか消費者には届きません。なので、ファンの方と共により良い船橋屋を創り上げようと思っています。

対面のコミュニケーションにも力を入れていて、ファンの方にインタビューをすることもあります。「なんで好きになっていただけたのか」、「どこに魅力を感じてリピートしてくださっているのか」。知りたいことはたくさんあります。ファンの方とディスカッションしながら、理解していきたいなと。

もとからある仕事を引き継ぐだけでなく、新たな価値を創り上げていくことが、広報に求められています。ブランディングに近いかもしれません。船橋屋として大切にしている軸に基づいて、取り組みを広げていくことを期待されています。

noteでも発信しているのには驚きました。

月岡:もっと私たちの思いを伝えたいと思ったんです。Twitterなどで気軽に発信を見てもらいながら、noteでは長文の発信をしてファンを増やしていくことが狙いです。

「何ができるか、いっしょに模索しましょう」という姿勢に惹かれた

—ブランディングとしては、今回のラグビーとの取り組みなど、新たな一面も見せていますね。

月岡:船橋屋は、2019年から2022年の中期経営計画で『くず餅 ReBIRTH宣言』を掲げました。亀戸のお土産屋さんから、健康提案企業に生まれ変わる。くず餅の新たな価値を見つけようという計画です。その一環として、今回のシャイニングアークスさんとのスポーツ共創パートナーシップを組ませていただきました。

最初は、スポーツチームと何ができるのか未知数でした。しかし、「何ができるかいっしょに模索していきましょう」というスタンスでお声かけいただき、面白いことができそうな兆しを感じました。

もし、はじめが「協賛金をお支払いいただき、スポンサーになりませんか?」という提案だったら断っていたかもしれません。広報としても、ブランドを深く知っていただける方を増やしたいと思っていたので、お金だけではない取り組みに惹かれました。

—たくさんのスポーツがあるなかで、ラグビーにはどんなイメージがありましたか?

月岡:どの競技かは、あまり気にしなかったです。そもそもスポーツチームと何かをやろうと考えたことがなかったなかで、「地域を盛り上げるために」と提案してくださったのがラグビーチームだったということです。

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