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王者の新キャプテン・篠田龍馬の覚悟とブレない生き様。「失敗は次に生かさないとダサい」

Fリーグ16年の歴史のなかで15回ものリーグタイトルを手中に収めている名古屋オーシャンズ。

“絶対王者”と呼ばれる名古屋オーシャンズに14年も在籍し、誰よりもこのクラブのことを知る男・篠田龍馬が今シーズンから新たなキャプテンに就任する。

どこよりも勝ち続け、タイトルを取り続けなければいけない。

そんな使命を課せられる名古屋の主軸を担っていた星龍太、星翔太、関口優志が昨シーズン限りでチームを去った。クラブ所有の練習場も新設され、一つの転換期を迎える名古屋で、大きな役目を任される篠田。

篠田は、負けることが許されないクラブのゴールマウスを長年守り続け、常にプレッシャーを浴び続けてきた。普段、感情を表に出すタイプではないが、重圧に晒され、何度も弱気になってしまうことがあった。しかしその度に篠田は打ち勝ち、失敗を失敗で終わらせずに生きてきた。だからこそ、名古屋というクラブに長く在籍し続けられている。

自らの中にブレない強い意志を持つ篠田は今、どんな覚悟を抱き、キャプテンとして迎える新しいシーズンを戦うのか。

そこにも、彼のブレない考えがあった。結果を求め続けられるクラブに14年間も居続け、チームをけん引する篠田の生き様を紐解いていく。

インタビュー・文=舞野隼大

♦︎Fリーグ2022-2023 試合日程・放送予定♦︎

プレーや姿勢で引っ張っていく

──今シーズンから名古屋オーシャンズのキャプテンを任されることになりました。キャプテンに任命された時の心境を教えてください。

もう32歳なので、正直もう少し若い選手の方がいいんじゃないかと思いました。でも、任命されるのは光栄なことなので、すぐに「やります」と伝えました。僕は地元出身選手ですしこのクラブに長くいるので、その意味でもチームの顔になっていかないといけないと思い、自分が成長するいい機会だと思いました。

──以前、星龍太選手にインタビューした際、篠田選手なら「チームの内情、歴代のキャプテンを見ているから、自分のやり方でやってくれる」と話していましたが。

自分より若くて、同じくこのクラブに長くいる八木聖人や水谷颯真がキャプテンになると思っていました。自分がキャプテンになるイメージはなかったので、適任だとは思わないですけど、責任感や名古屋の選手としてどんな振る舞いが求められるかというのを自分が一番よく分かっています。その意味では、プレーや姿勢で引っ張っていけたらと思っています。

──歴代のキャプテンを見てきて、印象に残っているキャプテンは誰でしょうか?

当時、僕が若かったこともありますけど、北原亘さんはすごいキャプテンでした。外国人選手を含め、誰にでも分け隔てなく接して、取り込むのがすごくうまかった。僕がオーシャンズに来て1年目のときにいた個性派揃いのメンバーをまとめていたのはすごかったですし、印象に残っていますね。

──北原さんは、個性派揃いの選手たちをどのようにしてまとめていたのでしょうか?

試合中も練習中も手を抜かず、みんなからリスペクトを勝ち取っていました。ポルトガル語で冗談を言い合って、外国人選手を巻き込んだりしていた。僕も若い頃はご飯に連れていってもらっていましたし、若手も上手くチームの輪に入れてくれましたね。オフザピッチがとにかくすごかったですが、それはピッチ内でリスペクトされていなければ、成り立たないことですね。

悔しさを経験して強くなれた

──昨シーズンは全日本フットサル選手権の決勝戦で敗れてしまい、タイトルを落としてしまいました。篠田選手はSNSに「10連覇を逃した時と同じ気持ち」と綴っていましたが、あのときの気持ちを改めてお伺いしたいです。

いつもは優勝すればホッとしますけど、あの大会を最後にチームを去る人が多かったので、今までで一番勝ちたい大会でした。その分、負けて一番悔しい大会になりましたね。次はもう一度強い名古屋を見せて、タイトルを取り返さなければいけません。10連覇を逃したときも、悔しさを経験して強くなれたと思っています。敗戦から学ばないといけないですし、タイトルを逃してしまったときのほうが成長すると思っている。「このままじゃいけない」と思い知らされたので、強くなった姿をまた見せたいという気持ちになりました。

──今シーズンの名古屋に必要なものは何になりますか?

ゴールを決めるところですね。昨シーズンの終盤は失点が多かったですけど、ディフェンス面は組織的に守れていました。なのでオフェンスの部分は突き詰めないといけないですし、監督もゴールが足りないとよく話しています。

──仰るように、全員が一体感を持ってハードワークするスタイルが今までの名古屋の良さでした。ですが篠田選手がキャプテンになった今、昔のようなピリついた雰囲気に変えるのか。今までの良さを継続するのか。どのような方針を考えていますか?

チームのために走り、体を張ることが一番大事だと思っているので、一体感は継続して高めていきたいと思っています。僕がどうこうというのはないですけど、昨シーズンのような戦いの方がピッチ上でもいい影響が出る。練習中からいいコミュニケーションを取れていますし、突き詰めていることで、みんながみんなを信頼しながらできています。

──選手一人が際立つより、チームとしてまとまった方が強いという考えでしょうか?

はい。個々のタレントを持った選手たちがまとまって戦えたら間違いなく強いです。オフザピッチも含めて、一人ひとりがやるべきことをやり、チームのことを考えてプレーする。それが個人の成績にもつながっていきますし、そういうことを一番に考えてやれると強いと思います。

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