THINK SPORTS『楽しさの価値観』

文部科学省が発表している「スポーツの意義」で、

スポーツは、体を動かすという人間の本源的な欲求にこたえるとともに、爽快感、達成感、他者との連帯感等の精神的充足や楽しさ、喜びをもたらし、さらには、体力の向上や、精神的なストレスの発散、生活習慣病の予防など、心身の両面にわたる健康の保持増進に資するものである。

という一文がある。

体を動かすことによる爽快感、難しいプレーがうまくいったり、記録が伸びたりする達成感。おまけに健康にもいい。そんなところにスポーツの楽しさを感じ、生涯にわたって体を動かし続ける人々は増えてきている。

一方で、スポーツに勝負はつきものだ。

それだけに「スポーツは勝たないと楽しめない」という人々も存在する。トップアスリートの世界だけではない。その人のレベルを問わず、スポーツをして「勝ったから楽しかった」という気持ちの人は多い。

スポーツのどこに楽しさを感じるのかは人それぞれ。ただ、たとえばチームスポーツなどで、そんな別々の価値観の人たちが混ざってしまったときにやっかいな経験をした人はいないだろうか。

「勝つためにもっと頑張ろう!」「いや、そこまで無理しなくても…」の衝突。そうしたなかでのプレーは、ときにお互いにストレスになってしまうし、それでスポーツがつまらなくなっては、元も子もない。

できれば、同じ考えの人たちと一緒に体を動かせたほうがいい。しかし、今は多様な価値観を認め合う時代だ。スポーツの楽しさはいろいろな点にあること。人ぞれぞれで楽しさを感じる部分が違うところは理解するべきだろう。

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