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【日本代表/WEB取材】「もっと長く出場時間がほしいですし、納得できない部分もありますが…」。3rdセットのフィクソ・皆本晃に求められる役割とは

FIFA フットサルワールドカップ リトアニア2021まで、いよいよ1週間を切った。14日のアンゴラ代表との初戦に向け、大会前最後のオンライン取材が10日に行われた。

日本代表は3つのセットでローテーションしている中、皆本晃は3rdセットのフィクソとしてプレーしている。ただ3rdセットということで、1stセット、2ndセットに比べ出場時間が多いとは言い難い。

個人として、ピッチに長く立てない悔しさはありながらも3rdセットとして「その中での役割はある」と、皆本は言う。不足の自体も十分に起こりうる可能性がある中、自身に求められている役割とは。「期待してもらっている以上のプレーができるような準備を虎視眈々としている」と意気込む皆本の胸の内を聞いた。

不足の事態が起きたときのために、常に準備はしている

──リトアニアはいかがですか?

天気も涼しいですし、寒くはないので過ごしやすいです。ご飯も美味しい部類に入るので、快適に過ごせています。

──試合を見ていても、かなりコンディションも上がっているように見えますが。

コンディションはかなり良くなってきているので、準備はできていると思っています。

──体だけでなく、気持ちの方はどうですか?

「いよいよW杯が近づいてきた!」というのは、想像していたよりはないですね。だいぶ落ち着いて迎えられるのかなと思っています。ここから日が少なくなるにつれて、また違った感触を得るかもしれないですが、今は肩の力がめちゃくちゃ入っている感触は、思ったよりはないですね。

──大会でとにかく大事になってくる初戦のアンゴラは、個人で戦ってくる強さを出してくると思います。そういう相手に対して、守備のキーマンである皆本選手はどうやって防いでいこうと考えていますか?

われわれは、組織的に守備をしたり「フットサルはこういうふうに守る」という、原理原則をミゲル(・ロドリゴ監督)時代からたくさん教えてきてもらってきた。強豪国と戦っても、決して驚かない組織は整っていると思っています。

アフリカだったりアンゴラとの試合は、自分たちが予期していない展開になるだろうことが目に見えているので、やりやすい相手ではないということは間違いないです。「何があってもおかしくない」という意識を常に持ちながらやるというのが、大事なんじゃないかなと思っています。「ここは縦切ればいいでしょ」、「ここは絶対、中に来るでしょ」みたいな思い込みをしてしまうと、逆を突かれてしまうんじゃないかというのは、想像がすごくできます。なので何が起きても慌てないことが一番大事かなと思っています。

──できるだけニュートラルな状態でいた方がいいと。

そうですね。もちろん、自分たちが狙い通りの形で相手を抑える展開もゲームの中で半分以上はあるんじゃないかと思っています。ですが、一番危険なのは予期していないプレー。カウンターひとつとっても、相手が残っていたり「そこにいるの?」というシーンがかなり多い。能力値的なものは実際に対峙してみないと分からないですけども、相手自身も、自分たちがどうしたいのか分かっていない部分もあると思うんです。なのでそこに対しては、こちらも先読みはかなり難しいと思っています。

──アルゼンチン戦はプレス回避から素晴らしいゴールを決めていました。皆本選手は3rdセットのフィクソという立ち位置ですが、出場時間はもっと長くてもいいんじゃないかとも思います。自身の立ち位置をどう捉えていますか?

もっとできるという自信はあるので、もっと長く出場時間がほしいですし、チャンスがほしいなというところもあります。納得できない部分もありますけど、自分の役割を理解しながらやっているつもりでいます。3rdセットに関しては、出場時間は短いですけど、その中での役割はある。僕が出た時間帯でもゴールは決めれましたし、それ以外の時間帯でもわりかしチャンスは作れていると思うので、ゲームの流れを変えることが役割の一つだと思っています。

──試合を重ねるにつれて、フィクソの累積警告も溜まっていく可能性がある。そうなったときにこそ、皆本選手に活躍してほしいとも思っています。

累積もそうですし、ケガもあると思うので、W杯というのは、負けてしまえば短いかもしれませんが、勝ち上がればスケジュールが短い中で試合が続いていく。なのでおっしゃる通り、不足の事態というのはたくさん起きると思います。

それはゲーム中も同じで、思ったようにいかないこともあるはずです。そういうときに力になれるよう、準備は常にしておかなければいけないと思っています。それがある意味、年を食っている選手の仕事。試合に出られなかったら「ふざんけな」というのは、今でも思ってますけど、それだけの感情で済ませるわけにはいかない。なにかあったときに良いプレーができるように。期待してもらっている以上のプレーができるような準備を、虎視眈々としています。

──もしも1stセットや2ndセットで出場するとなった場合の連係面は、どう合わせていきたいですか?

合わせられる部分もありますけど、合わせられない部分もあると思います。(オリベイラ・アルトゥールと星龍太とは)キャラクターが違うので、自分の強みを出す中でセットを良くしていきたいと思っています。フィクソは3人いますけども、全員キャラクターが違うので同じことはできない。なので僕自身、2人と同じことはできないですし、2人も僕と同じことはできない。そういう意味で、違いを作れればある意味良いのかなと割り切ってます。

──相手の身体能力やサイズも違うと思いますが、そういう選手たちに個人としてどう対応していきたいですか?

自分自身、サイズは小さいですけど、大きいピヴォに対して苦手意識はないです。むしろ大きいピヴォからすれば小さい選手に下から体を入れられることがある。これまで国際試合を何度も経験してますけど、自分としては大きいピヴォの方が相性がいいと思っていますので、特別やることを変えるつもりはないです。そこに対しては自信を持っているなので、自分もできるということをしっかり見せたいです。

──奪い切るのか止めるのか、GKと協力して止めるのか。試合の中ではどう使い分けていきたいとイメージしていますか?

守り方のところだけでいうと、自分は大きい選手に比べてスピードがあると思っていまず。ピヴォを抑えるために、ボールを入れさせないことの方が優先順位が高い。プラスアルファ僕の守り方でいうと、後ろの選手に「ピヴォへボールを出せないな」と思わせることが、一番の勝負だと思っています。パスを出したいときに僕が前に入っていれば後ろの選手もパスを出せなくなるので、そうすればピヴォ当て自体が存在しなくなって、横パスが増えてくる。そうなればうちのディフェンスの長所である前からのプレスが生きてくる。「ピヴォにボールを入れさせない」、その次は「前でボールをカットする」。その2つができれば、ゲームというのは変わってくると思う。

ボールが(ピヴォに)入ってからは、不利になる部分もあると思いますけど、そこからは「やらせない守備」に変更する。ブラジルvsスペインの試合を見てもらってもわかると思いますけど、スペインのフィクソがブラジル代表のピヴォに対して、ボールを奪うことはほぼない。はっきり言って、みんな「世界トップレベルのピヴォからはボールを取れない」という前提でいると思うので、入ってから奪う感覚はほぼないです。そこは同じように対応して、次の優先順位としてはバックパスをさせる。あとは反転したときはしっかり体をぶつけてシュートを止める。そこに関しては長年やってきてるので、戦い方の整理はできている。なのでそこに関しては自分自身、特に心配してないです。

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