3人制バスケットボールのDJが語る、音楽とスポーツの融合性

最近人気沸騰中の3人制のバスケットボール3×3.EXE official DJのJi-zouさんのインタビューです。会場の盛り上げ方など、普段知ることのできないDJの仕事内容、スポーツ×音楽の魅力に迫ります!

作品を聞いてもらいたいという好奇心からDJへ

– 最初に3×3の公式DJになった経緯を教えてください。

僕は渡米後、21歳からクラブDJとして活動し、プロアマ含め、キャリアとしては今年で17年目になります。17年間DJをしてきましたが、国内においてクラブでのDJ業界は飽和状態になりつつあり、今後それ一本だけで活動していくのは正直厳しいと感じるようになりました。そこで、僕は今後どのようなスタイルでDJを目指していけば自分の強みを活かし、プロとして活動していけるのかと考えた結果、 ”企業とのタイアップ” により今まで以上に面白いことが出来るのではないかと思い、当時さまざまな業種からDJを募集している企業を探しました。

しかし、クラブ業界でもDJが溢れ返っている中、DJとタイアップする企業はなかなか見つからず、諦めてかけていたとき、アメリカのNBA やストリートバスケットボールは昔から音楽と関わりが深いことをふと思い出しました。僕は以前からバスケットボールが好きで、渡米経験もあり、音楽とバスケットボールが一体になる光景を見ていたのでそれに気づくことができたんです。それでバスケットボールに関係するDJを探している団体がないか探し始めました。その時に3×3.EXEと出会い、昨年の10月から3×3.EXE専属の公式DJとして活動しております。

– 自分で売り込んでいったということですね。

3×3.EXEへの最初のアポイントとして、メールと自作のデモテープで送らせてもらいました。後日面接となりスーツで行ったのですが、ディレクター陣にはDJなのにスーツ姿だったことにびっくりされましたね(笑)世間一般的にはDJって”チャラチャラ”したイメージがあるように感じています。そう思わせたくない、またそれを変えたいというのもありスーツで行きました。当時、僕のことを知っているDJ仲間からはどういった手段で3×3.EXE のDJになれたのか聞かれたものです。前職ではGoogleで働いていたので、その伝手(つて)だと思っている人もいたかもしれませんね。でも自らいろいろ行動した結果、こうした機会を頂き、今があると思っています。もちろん、今も平日はWeb関係の企業で働きながら3×3.EXEのDJをさせて頂いています。

– ご自身もバスケットボールをされていたのでしょうか。

元々バスケットボールは大好きでしたが、中学校・高校と柔道をしていました。当時は身長177cm、体重115kgという巨漢でしたからね(笑)高校卒業後にバスケットボールは本気でやりだしたのですが、そのお陰で115kgあった体重も半年間で80kgに痩せました。DJを始めてからはなかなかできていませんが、それでもNBAだけは欠かさずに見ています。

Ji-zou

– DJ自体にはどういった経緯でなられたのでしょうか。

DJになりたかったというよりも兄の影響もあって、音楽(特に洋楽)がすごく好きだったんです。ジャンル問わず音楽が好きで、そのうち「人が音楽を好きになってくれるようなことができる人になりたい」と考えるようになっていきました。小学校の時、マイケル・ジャクソンが全盛期でその影響も受けましたね。

DJになりたい人はいろいろな目的がありますが、僕は純粋に音楽が好きで、好きな曲と曲を繋げて1つの作品にしてみたい。またその作品を多くの人に聞いてもらいたいという好奇心から始めました。

– Ji-zouさんのDJ としての強みを教えてください。

曲の(※)ミックスがきれいだとはよく言って頂きます。仕事と並行してやっていたので、仕事に行く2時間前に起きて、家を出る直前までずっとターンテーブルを触り続け、帰って来てからも翌朝までやっていましたね。休みの日もずっとDJの練習ばかりやっていました。DJはそれぞれ個々の価値観があり活動していると思いますが、僕は音楽好きの方だけでなく、音楽自体あまり耳慣れていない方にも感性を分かって頂ける瞬間がDJとしての醍醐味だと思っています。

※ミックス:2つの異なる曲を自然に継ぎ目なく掛けて演奏すること。これにより客を休ませることなく踊らせ続ける事ができる。クラブDJの基本的な技術であり、腕の見せ所である。

音楽とスポーツが融合する素晴らしさ

– クラブのDJとスポーツ会場でのDJはまた違うと思いますが、不安はありませんでしたか。

不安はありません。曲を繋ぎたいという思いをDJで叶えて、3×3.EXEを通して大好きなバスケットボールに携わり、音楽とスポーツの融合をできる場を頂けたことに感謝しています。ここからが新たなDJ Ji-Zouのスタートだと思っています。

– 3×3.EXEの会場で流す音楽はどのように選曲されているのでしょうか。

3×3.EXEでかける曲はクラブとは異なり、短い試合時間を考慮しています。何を流せば選手や観客が盛り上がるのか、また躍動ある雰囲気を創れるのかを心掛けています。海外の選手は特に曲が気に入らないと表情や雰囲気に出るのでよく分かりますね。どのようなお客さんが来ているのか、年齢層や会場の雰囲気も見て選曲しています。

Ji-zou

– 3×3.EXEのDJをしていて嬉しいと感じることを教えてください。

先月、代々木競技場で3×3.EXEの試合があった時ですが、年配の男性の方がDJブースまでわざわざ来て下さり、「DJすごくいいね!僕でも踊れるよ!」と言って下さったことが本当に嬉しかったです。男ですから女性に褒められるのも嬉しいんですけどね(笑)見ず知らずの方からのこういう言葉は本当に嬉しいです!

– 日本でも徐々にDJが会場を盛り上げるスポーツ増えてきていますが、海外では一般的なことなのでしょうか。

海外ではアメリカンフットボールやアイスホッケーはハーフタイムやタイムアウトの時に音楽の演出があります。僕は日本でもそうした音楽とスポーツが融合する素晴らしさをより多くの方に知ってもらいたいと思っています。それが今3×3.EXEに携わっている僕の使命だと思っています。

– さらにいろいろな競技に音楽の要素が入っていけば、より観客も選手も盛り上がりそうですね。

特に3×3.EXEは解放感ある屋外で競技をするので、音楽がないと少し物足りないような気がします。もっと日本でも音楽がスポーツと結び付いていけばいいですね。

– スポーツの会場でDJをするという仕事の魅力を教えてください。

今は3×3.EXEを観に来てくださっている方にとって、会場の音楽はメインではなく、二の次です。僕自身も今はそう思っていますが、音楽もバスケットボールと同じくらいの重要さで捉えてくれるようにしたいと考えています。それが直接、3×3.EXEのDJという仕事の魅力に繋がるのではないかと思っています。

Ji-zou

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