プロダーツプレイヤー・樋口雄也が説く「技術論からの脱却」。

身体的に投げられなくなるまでダーツを続けたい

——今後の樋口さんの目標を教えてください。

まずは日本一です。あとはやめるまで成長し続けていたいです。そうすれば結果も付いてきますし、きっと楽しいと思います。競技としてやるかは分かりませんが、僕は身体的に投げられなくなるまでダーツを続けたいです。

——ここまではダーツについてお伺いしてきましたが、樋口さんご自身についてもお聞きしていきます。**時間がある時にしている趣味はありますか。**

時間も限られてきてしまうので、改めて趣味として特別何かをしているわけではないですね。おいしいものを食べてお酒を飲むことが好きです。お酒は何でも飲みますが、ダーツをしながら飲むとなるとあまり酔えないので基本的にビールです。ダーツを始めてからずっとそういう生活なので、痛風に怯える毎日です(笑)。

——樋口さんの場合、遠征費はどのようにして捻出しているのでしょうか。

僕の場合遠征費はお店に勤務して頂いたお給料から出しています。道具はスポンサーの方に頂いています。その辺りは選手によって様々で、例えば遠征費をすべて出して頂く代わりに賞金の何割かを渡さないといけない選手もいます。

樋口雄也

——樋口さんご自身で思う自分の魅力を教えてください。

客観的に見て、自分が魅力ある人間かは分からないので難しいですが、僕が本当にダーツ好きであるということが他の人に伝わった時はプレーヤーとしては嬉しいです。当然ビジュアル面でどこの分野においても注目を集めそうな選手がいる中で、僕のことをプレーヤーの中で一番好きだといってくれる方もいます。何を魅力に感じてくれているのかは分かりませんが、喜ばしいことですね。

——もしダーツをしていなかったら何をしていたと思いますか。

もしかしたらビリヤードをやっていたかもしれませんが、そこまでうまかったわけではないではないので、追求していたかどうかは分かりません。サービス業の会社ではなく、他の仕事をしていれば今でも音楽を続けていたでしょうね。

——ダーツ選手としての活動に関してご家族の反応はいかがですか。

基本的には肯定的です。始めた時からそうですが、今は結果も出たのでより応援してくれています。もちろん不安はあったと思いますが、反対されたことはありません。父も自分の好きな音楽という分野で努力して名を残し、生活できるようになった人なので、僕がダーツをすることに対して理解があったことは大きいです。

もし堅い仕事をしている父であれば一蹴されていたと思います。今まで様々な部分でサポートしてもらいましたが、一番は好きなものを追求して名を残し、生活できるようになるのを目指すこと自体を支持してくれたことに感謝しています。

僕の歳にもなればそれなりに出世する人が出てきます。反面僕は悠々自適な生活を送れているわけではありません。でもおそらく今僕がある日突然死んでしまったら、様々な方がダーツを通して僕のことを知っていてくださるので、業界の中ではそれなりにニュースになるでしょう。お金などももちろん大事ですが、僕はそれでいいのだと思っています。

——それでは最後に、読者の方にメッセージをお願いします。

ダーツに対していろいろなイメージを持っている方がいると思いますが、この記事を通して競技として追い求めている人もいるということをまず知って頂きたいです。そして誰にでもできるダーツなので、ぜひ一度遊んでみて頂ければと思います。

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