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 “渋谷”を冠した新生サンロッカーズ。開幕から2ヶ月が経ち、選手が感じていること

Bリーグが開幕してから早いもので2ヶ月が過ぎた。

その中で今年からカルチャーの発信地・渋谷をホームとし、青山学院大学の体育館である、青山学院記念館をホームアリーナとして使用しているチームがある。それがサンロッカーズ渋谷だ。

正直に言うと、“渋谷”という街をホームとするスポーツチームにある種の特異性を感じたというのも事実。そこで実際にホームゲームに足を運び、サンロッカーズというチーム、新リーグになってからの変化、そして“渋谷”という街に対して感じていることを縁の深い選手を中心に聞いた。

サンロッカーズ渋谷

11月19日、サンロッカーズ渋谷はホームに三遠ネオフェニックスを迎えた。約1ヶ月ぶりとなる青山学院記念館での試合には、2,080人のブースター(ファン)が応援に駆けつけた。

この日の試合は5人の選手が二桁得点をマークしたサンロッカーズ渋谷が、80-62で勝利した。サンロッカーズ渋谷のBTテーブスHC(ヘッドコーチ)は「リバウンドも含めて、1人に頼るのではなく、選手を分散させて数字を挙げていくというのは自分たちの目指すところではあります」と話し、チームが思い描く形での試合運びで強さを見せつけた試合となった。

BT・テーブス氏

B2の鹿児島レブナイズから加入し、この日がサンロッカーズ渋谷でのデビュー戦となったチャド・ポスチュマス選手はチーム最多18得点、9リバウンドと大暴れ。チャドはB1とB2の違いに対して「雰囲気やファンのリアクションなど全体的なところはB1の方がすごくいいなと思います」と話し、サンロッカーズ渋谷については「ファンの雰囲気は素晴らしいですし、チームが掲げているスタイルというのも自分の好きなところ」と早くもチームに溶け込んでいる様子だった。

チャド・ポスチュマス

青山学院大学卒で、ホーム・青山学院記念館で青春時代を過ごした伊藤駿選手は、「(前節ホームゲームの)流山の時は負けが続いており、それが重なったからか、かなり観客が少なかったので、正直勝たないと人が入らないなという印象が僕らの中でもありました。だからこうやって試合をしてシュートを決めた時に多くのファンの方が喜んでくれるのがすごく嬉しいですし、僕らの後押しになります。2,000人入ったということはそれだけ注目されているということだとも思います」と渋谷でホームゲームができる喜びをにじませたと同時に、結果を出していくことの重要性を改めて感じた様子だった。

伊藤駿

同じく青山学院大卒で、キャプテンを務める広瀬健太選手は「去年までは(チーム名が)サンロッカーズ東京だったんですけど、“渋谷”というのがチーム名に入って、東京という大きなくくりではなく、渋谷のチームだと思ってもらえるようになってくるんじゃないかなと思っています。

こうやって渋谷でプレーをするとホームに帰って来たという感じはすごくあるので、これをもっともっとホームコートアドバンテージになるくらいにして、自分たちのアリーナだと言えるようにしていきたいですね」と渋谷をホームとしてプレーすることへの想いを話してくれた。

開幕から2ヶ月が過ぎたBリーグについては「今日もお客さんがたくさん入ってくれましたし、これまでにない盛り上がりは感じています。イベントや雑誌の企画でも若い選手たちが注目されて、今までバスケットボールに興味がなかった人が会場に来てくれていることが嬉しいです」と思いを口にした。さらに「そういったことがバスケットボールの発展に結びついていくと思うので、これに満足せず選手としてのプレーの質を上げて来てくれた人がまた来たいと思ってもらえるようにしていかないといけませんね」と続ける。新リーグ開幕で感じた変化、そして選手としてはやはりプレーの質にこだわることで観客を惹きつけたい意思を覗かせた。

広瀬健太

最後に広瀬は「(渋谷は)立地もいいので有名人の人も来やすいですし、そういった方が試合を観に行ったことをSNSで発信をしてくれるとまた注目してもらえます。その注目がまた注目を生んで、いい循環にもなっている。

リーグ全体でも盛り上げていこうという感じが選手をやっていても感じます。あとはプレーだけではなくて、色々なイベントに出たりとか、僕はまだやっていないんですけど、SNSを活用したりだとか、そういうところで積極的に選手も盛り上げていくために携わっていきたいと思っています」と話し、コート内外での選手のさらなる発信の必要性を訴えた。

サンロッカーズは前身チームの創部から数えると80年を超える歴史を持つ。その伝統あるチームがBリーグ開幕という節目に際して、ホームタウンを渋谷の地に移すという新たな挑戦を決めた。

あえてチーム名に“渋谷”と入れることで企業チームから脱皮をし、地域密着を推し進めることの決意の表れでもあるのだろう。

いち早く“渋谷の街にはバスケがある”ことを浸透させるためにも記念すべきBリーグ初年度のサンロッカーズ渋谷の活躍に期待したい。

サンディー

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