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本田圭佑のクラブで活躍した分析官が歩んだ、異国でのサッカー人生

トップチームでの挑戦を終え、日本での新たな取り組みへ

-大学院を卒業後は、本田圭佑選手がオーナーを務めるSVホルンに活躍の場を移したと聞きました。

イギリスでいろいろと仕事を探していて、最終的には労働ビザを下ろさないといけなかったんですが、それが難しくて。他の国も見てみようと思った時に、SVホルンのウェブサイトにメールアドレスが載っていたので、僕が編集した映像と履歴書を送ってみました。そうしたら雇ってくれることになって、すぐにオーストリアに行きました。

SVホルンのホームスタジアム

-SVホルンでは職員として働いていたのでしょうか?

またインターンとして1年間働きました。ただ、トップチームなので育成年代とは違って、当然勝つことが求められます。ウエストハムでは「試合前に掲げた目標が達成できたか」という分析だったのが、SVホルンでは「なぜ結果が出なかったのか」という違った分析に変わりましたね。

-結果が求められることによって、分析の方法も変わっていったのでしょうか。

他チームの試合を観に行くこともありました。SVホルンでは相手のストロングポイント、ウィークポイント、そしてセットプレーに注目してレポートを出しました。あとは自分たちのプレーしたい形があるので、どう選手を生かすかをコーチと話し合いながら、ビデオを作って選手に見せていました。

-現在は日本に戻ってきていますが、将来的にヨーロッパで再挑戦しようという想いはありますか?

実はSVホルンで働いている間に、インターンが終わったらイギリスに戻ることも考えていたんです。イギリスのワーキングホリデーは2年間あるんですけど、抽選で1000人くらいが当たるものがあって、それに応募したら当たっていて(笑)。イギリスに戻る予定だったんですけど、そう思っていた最中に(※)Catapult Japanから声がかかって、日本に戻って就職することに決めました。

※チームスポーツ向けに、GPSトラッキングシステムを開発している企業。世界で700チーム以上に利用されている。

-Catapult Japanでは、また違った形の分析が求められますね。

ウエストハムとSVホルンでは、技術や戦術の分析を主にやっていて、ビデオ分析だとオフ・ザ・ボールももちろん見ることになるんですけど、データ分析だとシュート数やパス数がメインになりますよね。ただ、サッカーの試合はオフ・ザ・ボールが全体の97パーセントで、そこのデータを見ずしてオン・ザ・ボールを見ていると、3パーセントしか見られていないことになるじゃないですか。

ずっと分析官として仕事をしていながら、Catapult Japanを含めフィジカル系のデータを取っている企業は知っていたので、そういったデータを混ぜながら、テクニックとフィジカルを融合させてアプローチできたら面白いとはずっと感じていました。Catapult Japanは、それが実現できるところではあると思います。

-将来的に日本サッカーに貢献したいという想いはありますか?

今後はフィジカルを学ぶ機会がたくさんありますし、学びながらいろいろなことを発見していくと思います。その発見に海外での経験を織り交ぜながら、最終的に何かしらの形で日本サッカーに貢献できれば嬉しいですね。

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