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語学だけでは通用しない。海外で成功するための“リサーチ”の重要性[PR]

元プロテニス選手の現役時代の後悔

海外へ移籍をしても、その国の言語や文化を学ぼうとしないアスリートは、感性が育たないですし、あまり意味がないと思います。野球やサッカーを見ても、今までにそのような選手はたくさんいました。中には技術だけで成り立つ選手もいますが、せっかくスポーツのおかげで旅ができるわけなので、やはりアンテナは常に貼っておいたほうが良いです。

WOWOWで解説者をしている元プロテニス選手の神尾米さんは、海外のどこに遠征へ行っても、オフの日はホテルにこもっていたそうです。恐らく、外の世界を知ることにあまり重要性を感じていなかったのだと思います。海外で試合会場以外に行った場所は少ないですし、知り合いもできなかったと言っていました。

彼女はそのことを、現役生活を振り返って一番後悔していました。スポーツ選手には心・技・体が必要だと言われますが、海外に行く選手は「心」を鍛えることによって、より優れた選手になると考えています。そうすることによって、ロッカールームでも、ファンのやり取りの中でもいろいろなことを感じられるようになります。

私がジュニア選手の父親で、子どもが海外に行くのであれば、必ずその国の言語や文化を勉強させます。子どもが海外から戻ってきて、現地で一人も知り合いができなかったのであれば、それは父親として恥ずかしく感じますね。もちろん生き方や楽しみ方は自由ですが、視野は広く持つべきだと思います。

海外の日本人サッカー選手に見る成功の秘訣

サッカー界では海外で活躍する選手が増えてきていますが、大抵の選手はパートナーを連れて海外に行っています。そうすることによって、パートナーがその国に馴染もうと努力して、努力した結果を選手にもフィードバックするんです。そうしてお互いに助け合うことによって、選手が海外に馴染みやすくなっている部分はあります。

世代の変化も影響していると思います。1990年代のサッカー選手や野球選手は、バブル上がりのスーパースターでした。彼らは海外に行って成功しなくても、日本に戻って芸能人のようなライフスタイルを送ることができました。中田英寿のように、異文化を学ぶ意欲を持って海外に移籍する選手でないと、成功するのは難しかったですね。

ただ、今の日本人はだんだんと意欲的になってきたと感じられます。

中には、言語が上手くなくても成功している選手もいます。酒井宏樹選手はフランスリーグという、日本人が今まであまり成功していない舞台にいて、しかも語学がそこまで上手くはありません。そして、彼が所属しているマルセイユには熱狂的なサポーターがいて、チームに愛着がある選手でないとサポーターから認められません。

その中で酒井選手はチームへの忠誠心を見せていくことによって、サポーターの信頼を勝ち得てきました。フランス語のレッスンは受けているとのことですが、言語だけでなくマルセイユというチームが持つ文化を理解しようとしたからこそ、成功しているのだと思います。語学ももちろん大切ではあるものの、彼のように異文化を理解するという気持ちが先にあるべきです。

ドイツリーグには多くの日本人選手がいますが、ドイツは選手を受け入れる体制が出来ているんです。代理人や通訳が充実していて、溶け込みやすい環境になっていますが、そうするとその国に馴染めているという錯覚が生まれてしまうことがあります。

フランスやイングランド、イタリア、オランダ、ポルトガルなどの国は、ドイツ以上にその国の言語や文化を学ぶ姿勢がないと上手くいかないんです。乾貴士選手は日本人で初めてスペインリーグで成功した選手ですが、最初にスペインのエイバルという、バスク州の小さなチームを選んだことは正解だったと思います。

スペイン人は誇りが高いので、日本人選手を認めないですし、そのニーズを感じてくれません。それでも小さなチームに行くことによって、強豪相手にジャイアントキリングを起こすことができます。チャレンジャーという立場は日本人に合っていますし、良い意味で周囲の警戒心を感じずにプレーできたのではないでしょうか。

[customButton name=”reserve” url=””]海外へ行く上での“リサーチ”の重要性[/customButton]

留学やホームステイをする上で、リサーチはものすごく大事です。私は海外に行って失敗したサッカー選手を見ていると、半分以上は行く前から間違った選択だと分かっていました。日本の代理人は今でこそリサーチの重要性を理解していますが、以前はそうではありませんでした。その国の文化や街並み、歴史、日本人との関係性をあまり理解していなかったんです。

英語圏に行くとしても、アメリカなのか、オーストラリアなのか、それともカナダなのか。アメリカの西海岸なのか、東海岸なのか。言葉が同じでも、場所によって文化や人の性格、外国人に対する姿勢が全然違いますから。そのことを知らずに行ってしまうと、失敗するリスクは高くなります。逆に、リサーチ次第では海外で成功する可能性が高くなる、ということは言えますね。

フローラン・ダバディ氏

bわたしの英会話

<前編はこちら>

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